新型コロナウイルスの感染者急増を受け、首都圏の5都県と大阪府が週末に不要不急の外出を自粛するよう求める中、日本同盟基督教団は3月27日、教会の対応について理事会としての見解を発表した。
外出自粛要請と礼拝の在り方については、神を愛し、隣人を愛するという最も大切な2つの戒め(マルコ12:30、31)を示しつつ、礼拝は「私たちの神に対する愛の表現」であり、礼拝への参加は「不要不急」のことではなく「必要緊急」のことであると指摘。一方で、「同時に、『善きサマリヤ人の譬(たと)え』のレビ人と祭司が、けがれに触れて祭儀を行えなくなることを恐れて瀕死の旅人を見捨てたことが、主の愛の戒めに背くことであったことも心に留めたい」とした。
その上で、「公同礼拝を守ることを金科玉条にして、隣人愛に背くことのないように留意したい」とし、「兄弟姉妹・地域の人々への愛をもって、安全への配慮を十分にしつつ、さまざまの工夫をしながら公同礼拝をささげることが、教会の歩むべき道」との見解を示した。
さらに、礼拝に関して配慮すべき事柄について具体的な方針を提示し、置かれた状況に合わせて各教会が祈りつつ自律的に判断して具体策を講じるよう求めた。
礼拝に関して配慮すべき事柄について、示された方針は次の通り。
公同礼拝に関する配慮
1)入り口の手洗いを徹底する。
新型コロナウイルスは、接触感染・飛沫(ひまつ)感染によって広がる。従って、集会場入り口で手を清潔にすることが、直接的な意味での感染予防の第一のポイント。入場者の手がきれいになっていれば、ドアノブ・手すり・水道カランその他も清潔に保てる。
2)せき・くしゃみが出る人はマスクを正しく(鼻と口を被う、マスクは前を触らず、ひもに触れる)着用する。また、せき・くしゃみは、ハンカチや腕で止めるせきエチケットを心掛ける。
3)ペーパータオルを用意する。
4)握手など接触するあいさつはしない。
5)公同礼拝を「3密」の重複する場にしない。
政府の専門家会議は3つの「密」条件の重複が感染を招くとしている。1つでも2つでも条件を外すようにする。
- 換気の悪い密閉空間・・・窓を開けて30分ごと換気する。集会を短縮化する。
- 多くの人の密集する場所・・・集会時間を幾つかに分けて人数を分散する。
- 近距離での密接した会話・・・近距離で向かい合う集会はしない。
6)飛沫感染が起こらないために、椅子と椅子の距離や椅子の方向、プログラムを工夫する。暖かい地域では屋外集会の可能性もあり得る。
公同礼拝の会堂に出席がかなわない状況の場合
1)発熱・せき・倦怠(けんたい)感という症状の兄弟姉妹、感染者と接触のあった人には礼拝を休んでいただく。症状のある兄弟姉妹のために、保健所の連絡先・電話番号を周知しておく。
2)既往症のある兄弟姉妹や、その他、不安を感じている人には、無理をせず休んでよいことを伝える。
3)上のような事情で出席のかなわない兄弟姉妹のために、また、やむを得ず会堂に集まって礼拝することができなくなったときには、インターネット配信や郵便、電話などを用いて、公同礼拝出席に準じた霊的養いができるように工夫と配慮をする。