日本キリスト教会東京中会は25日、新型コロナウイルスの感染者が急激に増加し、東京都が同日、「感染爆発の重大局面」として緊急の記者会見を開いたことなどを受けて、議長書簡を発表した。
冨永憲司議長は書簡で、「首都圏のそれぞれの教会では、礼拝や祈祷会の休止も含めて、対応を真剣に協議しておられることと思いますが、あらためて中会の諸教会・伝道所の長老や委員におかれましては、この事態に対して賢明な対処をしていただきたい」と呼び掛けた。さらに、「地域性にもよる多様な対応が求められますので、何か一律的な対応を求めるものではありません」としつつ、特に留意すべき事柄を幾つか示した。
議長書簡で示された留意すべき事柄は次の通り。
- 主なる神は、愛する者たちを「暗黒の中を行く疫病」や「真昼に襲う病魔」からお守りくださるお方です(詩編91編6節)。ですから、常に主の御前に「落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない」(イザヤ書7章4節)、「安らかに信頼していることにこそ力がある」(イザヤ書30章15節)とおっしゃいます。この世の何者も私たちを「キリストの愛から引き離すことなどできない」(ローマ8章35節)という信仰を、この事態の中で新たにして参りましょう。
- 同時に、心に刻んでいただきたいのは、自分たちの信仰を確かにするとともに、隣人も含め、教会員すべてのいのちを守るための愛の配慮です。教会に出席するために不特定多数の方々との接触を余儀なくされる教会員やその影響をすぐに受ける可能性があるご家族のことや、またそれぞれの置かれた地域での社会的責任も考慮しながら、この事態に対処してください。
- その際、たとえ公同礼拝や祈祷会休止を決断したとしても、神様を礼拝したり、祈りの生活を休止するのではないことは言うまでもありません。それぞれのご家庭による礼拝と祈りの生活を欠かさないようにご指導ください。このような教会訓練により、私たちは一つの信仰によってお互いが強く結ばれているという意識を共有し、この危機の中で教会共同体の絆を深めていかねばならないと思います。
- 何よりも、全てのものの支配者である主なる神の導きをご一緒に祈るとともに、人類の英知を集めてこの感染問題に取り組むことができるよう、それぞれの教会・伝道所でも、公同的に、また個人的に、嘆願ととりなしの祈りを共に祈っていただきたいと思います。
- 感染者に対するバッシングや特に中国や韓国の人々のコミュニティーに対するヘイト的言動が起こっています。教会員や日曜学校の子どもたちには、それらの動きに対して注意を喚起し、病者やこの世の旅人、寄留者たちを愛してくださった主イエスに従い歩むようにお教えください。(マルコ1章41節、7章24節、1ペトロ2章11節参照)
- 最後に、牧師とそのご家族のことに特別なご配慮をお願いしたいと思います。イタリアの教職者たちの死者数が医者の死者数よりも多くなったというニュースが届きました。牧師たちは、この事態に心が休まることなく、教会と教会員のためにお仕えしています。そのような時に、例えば「最後の看取りと葬儀」が重なると、牧師たちはさらに奔走して心身が疲弊、磨耗するようになるでしょう。万が一、牧師が倒れると、教会は多大な影響を受けます。そのような事態にならないように、長老たちや委員たちは、教会や伝道所としての適切な対処の仕方をご協議くださいますように、お願い申し上げます。