新型コロナウイルスによる肺炎(COVIDー19)の感染拡大を受け、教会でも大勢の人が集まるイベントが相次いで中止となるなど、影響が広がっている。
日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団は20日までに、今月25〜27日に新横浜国際ホテル(横浜市)で開催を予定していた教職研修会と、台湾の台北神愛教会で来月13〜16日の日程で予定していた「全国ユースリーダーズカンファレンスin台湾2020」を中止すると発表した。
また、キリスト者学生会(KGK)は19日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)を会場に今月24〜29日の日程で予定していた全国学生訓練会「NET(National Evangelical students Training)20」の中止を発表。KGK主事で学生宣教局長の吉澤慎也氏は発表の中で、「NET20開催のために2年前から準備を進めてきました。今回、大切な学びを提供する機会を失い本当に残念でなりません。しかし、神様が次の機会を用意してくださることを信じます」とコメントした。
日本福音ルーテル教会も19日、千葉市少年自然の家(千葉県長柄町)で来月24〜26日の日程で予定していた「第27回春の全国ティーンズキャンプ」を中止すると発表した。12〜18歳が参加対象者で、毎年全国から100人程度が集まるという。準備を担当してきた同教会の宣教室TNG(次世代)委員会ティーンズ部門は発表の中で、全国規模の集まりであることなどを踏まえ、苦渋の決断ではあったが開催を中止したと伝えた。
一方、教団が各教会の礼拝やミサにおける予防対策の指針を示す動きも出ている。カトリック東京大司教区は先月31日に続き20日にも、新型コロナウイルスに伴う注意喚起を発表。香港教区やシンガポール教区はすでに公開のミサの挙行を停止する措置を発表していることに触れ、東京教区においても、感染予防や小教区などでの公開のミサの挙行停止を含む適切な対応について、信徒の医療関係者の助言を得ながら検討する方針を示した。
日本福音ルーテル教会は18日、各教会と教職に新型コロナウイルスに対する注意喚起を文書で通知。「ワクチンもなく、完全に感染を防ぐ方法がない状況の中で、不安を抱くことも当然のことと考えます。礼拝に集う方の中に、そのような不安を抱く方がおられるということを前提に、事柄の判断が行われる必要があります」とした上で、感染予防対策の大まかな指針を示した。
指針の内容は次の通り。カトリック東京大司教区も類似した指針を示している。
▽飛沫(ひまつ)感染・ウイルス拡散を防ぐためマスクの着用と、小まめな手洗い、うがいの励行、アルコール消毒ができる体制を整えること。
▽体調が優れない人や外出に不安を持つ人は、無理をせず礼拝への参加を自粛すること。またせき、発熱、呼吸困難の場合や、37度以上の発熱など、風邪の症状があるときは当面の間、礼拝への出席を控えること。
▽洗礼の想起のために礼拝堂の前に水がめなどを設置している教会は、使用を控えること。
▽平和のあいさつを取り入れている教会については、握手など直接接触は避けること。
▽礼拝中、聖餐時のマスク着用は構わない。また、聖書朗読者やアコライトなどの礼拝奉仕に携わる人も同様、マスク着用は構わない。
▽司式者はじめ聖餐配餐を扱う人々は、式前・式中に入念な手洗いを行うこと。またルーテル教会の理解では、説教も聖餐も「神の言葉」であることを踏まえ、聖餐式の執行に不安を覚える場合、これを無理に執行する必要はない。
▽牧師(司式者)に体調不良や発熱などが生じた場合には、礼拝執行を自粛すること。なお、その際にはオルガンを用いての式文の使用を無理に行わず、式文を交読するなど信徒に司式を任せること。説教は代読などを検討すること。
▽海外への渡航について制限するものではないが、渡航後は細心の注意を払い、保健所を活用するなどの対応を行うこと。