バチカン(ローマ教皇庁)公営の「バチカン・ニュース」(英語)によると、韓国のカトリック信者がこの20年間で約50%増加し、全人口に占める割合が約11%となった。しかし、ここ最近は成長が大きく鈍化しており、日曜日のミサ出席率の低下や信者の高齢化といった課題もある。
韓国カトリック司教協議会の韓国カトリック牧会研究所が行った調査によると、韓国のカトリック信者数は、1999年は390万人だったが、2018年には580万人に増加。この20年間で48・6%も増加したことになる。全人口に占める割合も、この20年間で8・3%から11・1%に増加した。
特に成長率が高いのは、首都ソウル南部に位置する水原(スウォン)教区で89・1%の増加。次に中西部の大田(デジョン)教区(79・6%)、ソウル北部の議政府(ウィジョンブ)教区(78・9%)が続いた。
しかし成長率はここ最近、急激に低下している。2001年の成長率は3・9%だったが、10年には1・7%となり、教皇フランシスコが韓国を訪れた14年には2・2%と一時期持ち返すも、その後は1%前後となっている。また、日曜日のミサ出席率はこの20年間で29・5%から18・3%と10%以上も減少した。
高齢化も進んでいる。10代以下が占める割合は、2003年は32・4%、18年は33・2%と大きく変わらないが、50代、60代、70代、80代はこの間、それぞれ76・9%、93%、117%、251・6%増加した。
結婚ミサが行われた回数は、1999年は2万4227件だったが、2018年は1万4167件で、この20年間で41・5%減少した。司祭の数は2972人から4456人と52・2%増加したが、神学生の数は1547人から1273人と17・7%減少した。海外に派遣された宣教師の数は356人から1083人に増え、204・2%の増加となった。