ナイジェリア・キリスト教協会(CAN)の地区議長を務めるラワン・アンディミ牧師が、同国北東部のアダマワ州でイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」に拉致された。公開された動画(英語)では、アンディミ牧師は解放に向けた働き掛けを願う一方、「すべての状況は神の手の内にある」と述べ、関係者に無用な心配はしないよう求めた。
アンディミ牧師は、同州ミチカ地区でCANの地区議長を務めており、ミチカ地区で襲撃があった後、今月3日に拉致されたとされている。英国に本部を置くNGO「世界キリスト教連帯」(CSW、英語)によると、動画はボコ・ハラムに関する報道を行っているナイジェリアのジャーナリストに送られてきた。アンディミ牧師が最後に目撃されたのは、トヨタ製の自動車で連れ去られるところだった。
アンディミ牧師は動画で仲間の牧師たちに対し、ムハンマド・ブハリ大統領や同州のアフマド・ウマル・フィンティリ知事に、自身の解放のために働き掛けるよう求めている。一方で「私は一度も落胆していません。なぜなら、人が置かれるすべての状況は神の手の内にあるからです」と述べ、神への信頼を表明。「彼らが私の世話をし、命を長らえさせるようにされた神は、依然として働かれ、彼らの心に触れられるでしょう」と述べている。
また、拘束環境も悪くはないという。「人々は私によくしてくれる。私が食べたい物を与えてくれる。寝るのに良い場所やブランケット、その他必要なすべての物を与えてくれ、私に何か悪いことをしたということはない。だから私は依然として、彼らをこのようにするようにされた神は、私がここから出るすべての備えもしてくださると信じている」
そして、「神の恵みによって、私は妻や子どもたちと再会できるでしょう。もしまだその機会が与えられていないのであれば、恐らくそれは神の意志でしょう」とアンディミ牧師。最後には「みなさん、どうか忍耐強くあってください。泣かないで、心配しないで、しかしすべてのことにおいて神に感謝してください」と述べ、関係者を励ます言葉さえ贈った。
この動画を受け、CSWのマービン・トーマス最高責任者(CEO)は、「アンディミ牧師の拉致を深く懸念するとともに、無条件的な解放を呼び掛けます」とコメント。アンディミ牧師を「勇敢な男」だと述べ、ナイジェリア当局に対し安全な解放のために働き掛けるよう求めた。