西アフリカのブルキナファソ北部で24日朝、イスラム過激派が軍の基地などを攻撃し、民間人35人を含め120人以上の死者が出る襲撃事件が発生した。ロック・カボレ大統領はこれを受け、25日から2日間、国民に対し喪に服するよう呼び掛け、国内のクリスマス関連行事はすべて中止された。
AFP通信などによると、ブルキナファソ北部スム県アルビンダで24日朝、イスラム過激派の武装勢力200人以上がバイクに乗って、軍の基地を襲撃。激しい戦闘になり、兵士側は7人が死亡、約20人が負傷し、武装勢力側は80人が死亡した。
空軍の支援を受けた部隊などが武装勢力を撃退するまでに約3時間かかったという。さらに武装勢力は逃走時、近くにいた民間人も攻撃し35人が死亡。このうち31人は女性で、井戸で水くみなどをしていたところ犠牲になったという。
これまでのところ犯行声明は確認されていないが、ブルキナファソでは国際テロ組織「アルカイダ」や過激派組織「イスラム国」(IS)と関連のある武装勢力がこうした襲撃を行っているという。
ブルキナファソでは今月1日にも、東部コモンジャリ県で教会が武装勢力に襲われ、子どもと司祭を含む14人が死亡する事件が発生している。
世界教会協議会(WCC、英語)のオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事は、今回の襲撃事件が、ブルキナファソでは過去5年で最も多くの死者を出した事件であることに振れつつ、犠牲者の遺族に哀悼の意を示した。
「このようなひどい襲撃により、平和の君の誕生を祝う時節のただ中においても、多くの地域社会では紛争と暴力が日常的な現実であることを思い知らされます。この襲撃による犠牲者とその遺族のために、ブルキナファソのすべての人々、またサヘル地域に住むすべての人々のために祈ります。このような残虐行為から守られ、恐怖の世界から自由になれますように」
西アフリカでは、2012年にマリ北部でイスラム過激派が勃興して以来、隣接するブルキナファソやニジェールなど、サハラ砂漠南側のサヘル地域で襲撃事件が相次いで発生している。ブルキナファソでは15年から過激派の活動が活発化し、国連によると同年以降、700人以上が死亡、約56万人が避難生活を強いられている。
日本の外務省によると、ブルキナファソの人口は約1900万人で、国土は日本の約7割。宗教は人口の約6割が伝統宗教、約3割がイスラム教だが、キリスト教も約1割を占めている。一方、中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」(英語)は、同国ではイスラム教が多数派で、キリスト教は約2割を占めると伝えている。