4日間の日程で日本を訪れるローマ教皇フランシスコが23日午後5時25分、羽田空港に到着した。この日は雨が降り、強い風が吹く中だったが、カトリック信徒でもある麻生太郎副総理兼財務相や日本の司教ら、またカトリック系学校の生徒らが出迎えた。
教皇はその後、東京都千代田区の駐日ローマ教皇庁大使館(駐日バチカン大使館)に移動し、日本の司教らとの集いに参加。バチカン・ニュースによると、若い頃から抱いていた日本への共感と愛着について述べるとともに、パウロ三木や高山右近ら殉教者の信仰、また潜伏キリシタンなどについて語った。
教皇は「希望に燃えた種まき、殉教者の証し、実りを待つ忍耐」が、日本の文化と共存した宣教方法を特徴付けてきたと指摘。また、インカルチュレーション(文化受容)と対話の希求を、日本の教会の特徴として示した。
教皇庁大使館での集いに参加した勝谷太治司教(札幌教区長)は、教皇と司教らが談笑する様子を撮影した動画をフェイスブックに投稿。それによると、教皇が手渡されたけん玉を試す場面もあった。
教皇はこの後、24日は朝から長崎へ向かい、爆心地公園で「核兵器に関するメッセージ」を伝える。また西坂公園の日本二十六聖人記念碑を訪問し、長崎県営野球場(ビッグNスタジアム)でミサを行う。その後、広島へ移動。平和記念公園で「平和のための集い」を行い、夜に東京に戻る。
25日は東京で開かれる「東日本大震災被災者との集い」に参加した後、天皇と会見。東京カテドラル聖マリア大聖堂で開かれる「青年との集い」に参加し、東京ドームでミサを行う。その後、首相官邸で安倍晋三首相と会談し、「要人および外交団らとの集い」に参加する。
イエズス会員である教皇は26日、日本のイエズス会員らとのプライベートなミサを行い、朝食を共にする。その後、病気や高齢の司祭らを訪問し、最後には同じくイエズス会と関係の深い上智大学を訪れ、正午前に羽田空港からローマへの帰途に着く。
世界に約13億人の信者がいるカトリック教会のトップであるローマ教皇が日本を訪れるのは、先々代のヨハネ・パウロ2世が1981年2月に初めて訪問して以来、38年ぶり2回目。滞在期間中のカトリック教会主催のイベントは、ライブ動画が配信される予定。