9日早朝に千葉市付近に上陸した台風15号の影響で、千葉県内では4日以上たった13日午前11時半過ぎの時点でも、依然として約19万6千軒が停電している(最新の情報は、東京電力パワーグリッドの停電情報を)。キリスト教の複数の教団・教区では、所属教会の被災状況を公式サイトで発表するなどしている。それによると、教会の中には、ドアのガラスが破損したり、看板やテレビアンテナが落下したり、倉庫の屋根が飛ばされたりしたほか、柵の倒壊や雨水の浸水などの被害を受けたところがある。
本紙は12日午後、被害が大きいとされる千葉県南部を中心に、20以上の教会に電話で連絡を試みた。しかし不在であったり、ネットワーク設備が故障したりするなどして、ほとんどの教会と連絡が取れなかった。一方、連絡が取れた教会の中には、強風により敷地内にあった十字架の支柱が曲がったり、教会員が住むアパートの屋根が飛ばされたりしたところもあった。
本紙が連絡を試みたのは、市原、木更津の両市を含め千葉県南部を中心とする8市1町の21教会。この内、状況を確認できたのは3教会のみで、多くは、電話回線はつながっていたものの、不在などのため確認が取れなかった。一方、富津市の2教会、君津市の1教会では、ネットワーク設備が故障しているなどのアナウンスが流れ、電話自体がつながらなかった。
連絡が取れた教会のうち、日本基督教団南房教会(館山市)は、教会堂と牧師館に大きな被害はなかったものの、信徒宅で屋根が剥がれたり、水漏れしたりする被害があった。梁在哲(ヤン・ジェチョル)牧師によると、同教会は11日に電気が復旧したが、館山市内は12日午後時点で、まだ約8割が停電しているという。梁牧師自身も11日は市役所に行って必要な電気機器の充電をするなどした。「建物が揺れるほど、今までに経験したことのない強さの風だった。おかげさまで、教会と牧師館は無事ですが、教会員の方々が心配です」と語った。
単立ペンテコステ教会フェローシップの房総中央キリスト教会(木更津市)は、教会堂がプレハブ製だが、強風により屋根の破風部分が飛んだり、屋外に掲げていた十字架の支柱が曲がったりした。同教会の刈込雅弘牧師によると、教会員が住むアパートでは、屋根が強風で飛ばされ、1階の部屋も水漏れの被害に遭うなどした。
主要な教団・教区では、カトリック東京大司教区や日本同盟基督教団、イムマヌエル綜合伝道団、日本基督教団関東教区などが、公式サイトやフェイスブック、災害対応掲示板などで、現在把握している所属教会の被災状況を報告している。また千葉県内の一部の教会では、被災者のために携帯電話の充電や水道、ガスなどを提供する対応を取っているところもある。
東京電力パワーグリッドは、ホームページで最新の停電情報を公表しており、それによると、13日午前11時39分現在、千葉県内では約19万5800軒で停電が発生している。またNHKでは、千葉県の災害関連情報ページで、停電や断水に関する情報のほか、鉄道情報やコンビニの影響、充電や給水、入浴を提供している場所などをまとめて掲載している。