27日から28日にかけ、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が九州北部を襲い、28日朝には、佐賀、福岡、長崎の3県に、最も高い警戒レベル5に当たる「大雨特別警報」が発令された。これまでの報道によると、車が水に流されるなどし、29日正午時点で計3人が死亡。消防庁災害対策本部の29日午後2時の発表によると、3県における住宅被害は、一部損壊3棟、床上浸水81棟、床下浸水310棟。同1時半時点でも、島根、山口、大分を含めた6県で39万3千人に避難指示、88万4千人に避難勧告が出されている。大雨が襲った地域の内、冠水が相次いだ佐賀市と、広範囲の浸水被害が伝えられている佐賀県武雄市の教会に状況を確認した。
<佐賀市>
日本バプテスト連盟キリスト教佐賀新生教会
教会の前に川があったが、幸い浸水などの被害には至らなかった。信徒宅では1軒被害があり、武雄市在住の女性信徒宅が床下浸水した。牧師夫人の森田純子さんによると、教会がある地域では27日夜から28日朝にかけ、雷を伴ったものすごい量の雨が降った。森田さんは「今のところ大丈夫ですが、明日また強い雨が降るらしい」と心配する。佐賀市には50年以上住んでいるが、「今までに経験したことのない大雨だった」と語った。
日本バプテスト連盟佐賀キリスト教会
浸水寸前のところまで水が迫ってきた。教会の駐車場と庭が冠水した。これまでに信徒約30人と連絡が取れたが、1軒だけ床下浸水の被害に遭った。毎週水曜日には祈祷会を開催しているが、28日は大雨のため、信徒は自宅で祈りの時を持った。教会のある佐賀市水ケ江(みずがえ)では、水路に転落した軽乗用車が見つかり、乗っていた70代女性が意識不明の重体だと伝えられている。同教会の余信鎬(ヨ・シノ)牧師によると、現場は教会のすぐ近くで、周辺は一時、水田と道路の境目が分からないほど冠水していたという。
カトリック佐賀教会
聖堂に被害はなかったが、信徒会館の道路側に面している一部が浸水した。
日本基督教団佐賀教会
教会前の道路が冠水した。同教会の金附(かなつき)正夫牧師によると、大雨になると道路が冠水することはあるが、これまでで最もひどかったという。毎週水曜日夜と木曜日午前に祈祷会を開催しているが、大雨のため28、29の両日は中止した。信徒には電話で安否確認を行っているが、これまでのところ大きな被害の報告はない。
<武雄市>
カトリック武雄教会
教会は高台に位置しているため、被害はなかった。28日は朝方にかけて断続的にひどい雨が降り、昼ぐらいまではかなりひどい雨が続いた。同教会の十時伸治(ととき・しんじ)神父は、隣接する多久市のカトリック多久教会も担任しているが、信徒の報告によると、同教会も大きな被害は出ていない模様。武雄教会に隣接する幼稚園は、昨年7月の大雨では法面が崩壊するなどしたが、今回の大雨では被害はなかった。十時神父は「教会は高台にあったこともあり大丈夫でしたが、高雄市では浸水しているところもあり、地域の方々が心配です」と語った。
日本基督教団武雄教会
教会が高台にあったため、大きな被害はなかった。床下浸水などの被害を受けた信徒もいたが無事を確認している。