「ニコライ堂」の名で親しまれている東京復活大聖堂(東京都千代田区)で、隣接する大聖堂教会事務所が、9日未明から明け方にかけて関東を襲った台風15号により、屋根を丸ごと飛ばされる被害に遭った。教会事務所は大聖堂の敷地入り口付近にあり、飛ばされた屋根がちょうど入り口付近をふさいでしまった。
大聖堂では公祈祷(礼拝)の時間以外にも、聖堂拝観(見学)を受け付けているが、当面の間、拝観は中止するという。10日午前も入り口付近には、「本日の聖堂拝観は中止とさせて頂きます」と書かれた紙が張り出されていた。
関係者によると、大聖堂の敷地内では他にも台風による被害が出たが、教会事務所が最も大きな被害を受けた。教会事務所は現在、電話などもつながらない状態だという。
台風15号は、9日午前3時前に神奈川県の三浦半島付近を通過し、午前5時前に千葉市付近に上陸。関東を中心に9日未明から明け方にかけ、記録的な暴風が吹き荒れた。東京都世田谷区では、強風にあおられ頭を打ったとみられる50代の女性が死亡。この他、千葉県で80代の男性が、神奈川県で40代の男性が亡くなった。けが人は9日夜までに、50人以上に上った。