神学校で聖書釈義や牧会理論、伝道論や宣教学、カウンセリング方法や心理学などさまざまなことを学んで卒業し、プロの伝道者としてスタートしたけれど、なかなか結果が出せずに苦しんでいる献身者がとても多いのではないかと推察しています。
理論や方法を学ぶことはとても重要なことです。しかし、多くのことを学んだからといって、それをすぐに実践に生かし切れるかということになると、非常にハードルが高くなります。
一般の大学で4年間シッカリと学んで就職した新卒の若者たちを考えてみてください。入社してすぐに使い物になる人はほとんどいません。企業は多くの時間とお金を投資して研修の機会を与え、彼らをプロフェッショナルとして整えていくのです。
企業にはそのような人財を用いる現場が目の前にあるので、より具体的にそれぞれの仕事に対応できる実践的なトレーニングを彼らに課していくのです。このトレーニングは、肉体のトレーニングではなく実践的思考のトレーニングと具体的な技術習得のトレーニングということができるでしょう。
それと同じように、神学校で学んだことを伝道牧会に生かすためには、実践的思考のトレーニングと具体的な技術習得のトレーニングが必要になります。
伝道の結果がすぐに出なくても、絶対に諦めずに次々と手を打っていくためにはどうするか、周りの人に否定的なことを言われてもビクともしない強い忍耐力を持つためにはどうするか、バッシングを受けても相手を赦(ゆる)し続けることのできる寛容な心を持つためにはどうするか、メッセージをシッカリと伝えるためのプレゼンテーション技術を習得するにはどうするか、兄弟姉妹を導くために良いリーダーシップを発揮するにはどうするか、企画力を高めるにはどうするか、ミニストリーの運営に欠かせない財務と会計についてどのように考えていくかなどをトレーニングしていく必要があるのです。
日本のキリスト教界では、このようなことを指導してくれるトレーナーもいませんし、システムもありません。ですので、日本の献身者はこれらのことを「自主トレ」でやっていかなくてはならないのです。
「自主トレ」のために、企業人対象のセミナーなどを利用してもよいでしょう。海外のメガチャーチなどが主催するリーダーシップセミナーをインターネットで利用することもできます。本屋に平積みになっている関連書籍を読破していくことも必要です。信頼できる諸先輩方からアドバイスを頂ければ最高です。大学や地方自治体が開催している講座も魅力的です。つまり、アンテナを張り巡らせていれば、あらゆる機会を用いて「自主トレ」は可能ということです。
そして何よりも、優しい神様は、私たち全員に「自主トレ」のための最高のツールをすでに与えてくださっているのです。それは「聖書」です。聖書は私たちにとって「トレーニングジム」であり、「バーベル&ダンベル」であり、「最高のトレーナー」なのです。社会から徹底的に学び、いつも聖書に立ち返って学びを検証していくことによって、我々の思考はトレーニングされ、ミニストリーの現場で具体的な結果を出していくことができるようになるのです。
ハレルヤ!!
愛は寛容であり、愛は情(なさけ)深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない、不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。不義を喜ばないで真理を喜ぶ。そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。(コリント人への第一の手紙13章4節から7節より)
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