去る5月26日(日)午後、神戸市の愛ランド・キリスト教会(六甲アイランド福音ルーテル教会)にて、「天国へのハーモニー ソプラノコンサートとキリスト教式模擬葬儀」が開催された。定員40名のところ、関係者を含め60名程度の参加があり、小さな教会堂に神様への賛美が響き渡った。
当教会のメンバーをはじめ、SNSなどの情報から、終活に関心を寄せるさまざまな立場の方が参加したが、ともに人生のエンディングに心を留め、天地の創造者への感謝と賛美の大切さを味わう時間を共有した。
教会と音楽家がブレス・ユア・ホーム㈱と共催
今回、ブレス・ユア・ホーム㈱の終活セミナーを過去に開催した「愛ランド・キリスト教会」と、実際の葬儀でも協力関係にある「音符の花束」に共催をいただいた。
「音符の花束」は、プロのクラシックシンガーとピアニストで構成され、関西圏を中心にコンサートを行っているが、日本宣教のビジョンを共有し、今回の企画を共に行った。
その他、EDEN総合法務事務所、(株)創世 ライフワークス社、(有)UBTなど、クリスチャン企業の協賛をいただいた他、全国の関係者の祈りに支えられて開催にこぎ着けた。
賛美歌が天国を想い描かせる
まず、聖書が伝える「永遠の世界」や「天国」を表現した賛美歌を中心に「音符の花束」のメンバーが、30分ほどのミニコンサートを行った。短い時間であったが、参加者が天国を想い描き、心を神様に向ける良い時間になった。
続いて行われた模擬葬儀では、大切な人を失った悲しい場面を想定し、実際の葬儀と同じ流れで始まったが、ミニコンサートの流れを汲み、賛美歌とピアノの美しい音色が葬儀式全体を包み込むように進行した。
慰めと励ましに満ちた賛美が、参列者の心を癒やしていく様子をあらためて体験された方が多く、終了後、参加されたほとんどの方から好評をいただいた。
キリスト教葬儀の良さは賛美にある
実際の葬儀の場では、大切な人を亡くした悲しみが深く覆っている。今まで応答のあった身体が冷たくなり、もう交わることのできないつらさが身に染みる。
しかし、そこに慰めに満ちた賛美歌が流れると、美しい音色と聖書に基づく歌詞が、悲しみに沈む心を解放し、神様に向かわせる。キリスト教葬儀において、賛美歌は遺族を励ます重要な役割を担っている。
次世代の日本の葬儀
仏教葬儀文化が急速に崩壊する中、葬儀の新しい形が求められている。今後、音楽が多く用いられる傾向にあるが、賛美歌を有効に用いてこそ、遺族への慰めと励ましが豊かに備えられることだろう。
賛美歌は、結婚式のような華やかな場面でも用いられるが、慰めに満ちた曲が多く、むしろ葬儀の場がふさわしい。悲しみの中にあるからこそ、仰ぎ見ることのできる「永遠の世界」や「天国」が、賛美歌の中には多く表現されているからだ。
このような希望を与える賛美歌と聖書のことば、さらに遺族の気持ちを束ねる祈りが織りなす神様への礼拝こそ、天国を想い描くことのできる次世代の日本の葬儀としてふさわしい。
多くの皆さんに体験してもらいたい!
今回実施した「天国へのハーモニー ソプラノコンサートとキリスト教模擬葬儀」は、初めての試みだが、今後、参加いただいた皆さんの声を参考に、改良を重ね、より日本人の心に届く内容に仕上げていきたいと考えている。
そして、このような企画を全国に展開し、多くの皆さんに体験していただき、大切な方の葬儀として選んでいただきたいと願っている。
「神様への賛美に溢れるキリスト教葬儀」こそ、多死社会を迎えた日本人の心を支え、次世代の葬儀文化を担っていく葬儀の形となるに違いない。
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