1月19日土曜日、宇都宮を中心とした栃木県内のカトリック、聖公会、プロテスタントの諸教会が集まり、17回目となる「キリスト教一致共同祈り会」が行われました。会場は17年目にして初めてプロテスタントの教会でした。今まで1回は聖公会、他の15回はカトリック教会に会場を提供していただきました。会場となっていただいた聖ヨハネ宇都宮教会(聖公会)とカトリック松が峰教会は、共に宇都宮産の大谷石(おおやいし)造りで、国の登録文化財に指定されています。これまで何度も会場を提供してくださったカトリック松が峰教会の祈り会では、パイプオルガンの演奏が響く中、ロマネスク様式の天井の高い聖堂で、毎回一同が心を合わせ、祈りと賛美をささげました。
どちらかといえばあまり大きな会堂を持たないプロテスタントの諸教会は、「参加はできるが、会場となるのは無理かな?」「祈り会後の愛餐会は全員が座れるかな?」などと心配し、今まで一度も会場にはなってきませんでした。もちろん私の所属する宇都宮キリスト集会は、個人宅を開放しての会堂ですので、会場としてはとても使用できませんでした。
しかし今回、日本バプテスト連盟宇都宮キリスト教会の天野英二牧師の決断により、同教会の役員会で、祈り会のために会場を提供することを決定してくださいました。こうして初めて、プロテスタントの教会を会場とすることが許され、この日は宇都宮の主にある兄弟姉妹にとって記念すべき日となりました。
参加教会はこれまで、祈りの内にそれぞれの役割が決められ、準備をしてきましたが、祈り会は素晴らしい会堂で、厳かに和やかに進みました。司会はカトリック松が峰教会の役員が務め、同教会の山口一彦神父が今年のテーマ「ただ正しいことのみを追求しなさい」から、メッセージの聖書箇所である申命記16章11〜20節を朗読しました。そして、宇都宮キリスト集会の宮村武夫牧師が「喜びに満たされ、正義を求め」と題して、力強くメッセージを伝えました。
宮村牧師は初めに、「2019年」のキリスト教一致共同祈り会であることを強調しました。「主のご計画のうちにある2019年も、今日という時の一点がなければ、新しい天と地はない」と話されました。また「あなたは、あなたの息子、娘、男女の奴隷、あなたの町囲みのうちにいるレビ人、あなたがたのうちの在留異国人、みなしご、やもめとともに、あなたの神、主が御名を住まわせるために選ぶ場所で、喜びなさい」(11節)から、この場に集うことの主の大きな恵みを、教派や年齢、性別、国籍など、あらゆる壁を越えて共に喜ぶべきことを伝えました。
最後には「正義を、ただ正義を追い求めなければならない」(20節)から、「ないことをあるかのごとく、あることをないかのごとく言う、平気でうそをつく人間。うそがまかり通る社会、政治、仕事の中で生きる私たち。聖書の神様は、うそをつかない唯一真実な方である」と語りました。
また、日本キリスト宣教団峰町キリスト教会(安食弘幸牧師)の音楽家の姉妹たちが、トランペットとバイオリン、ピアノ、そして歌で素晴らしい賛美の時を提供してくださりました。そして、各教会の代表者たちが「教会一致のために」「世界平和のために」「特別な祈り」と、それぞれテーマに沿った祈りをささげました。
心配していた愛餐会は、余裕を持って全員が着席でき、持ち寄りの豊かな食事を味わうことができました。こうして主のご計画のままに導かれ、宇都宮の17回目のキリスト教一致共同祈り会は祝福の内に終えることができました。
なお、宇都宮キリスト集会は、約10年前から祈りの課題として「キリスト教一致共同祈り会ができる大きさの会堂が与えられますように」と祈り続け、ささやかながら会堂のための献金も積み立てています。いつの日にか、これまで共に祈ってきた各教派の兄弟姉妹たちを招き、共に聖書のメッセージに耳を傾け、祈り、賛美し、そして愛餐を分かち合う時が来ることを夢見ています。
(文・坂本道子=宇都宮キリスト集会所属)