日本基督教団は23〜25日、第41回教団総会を東京・池袋のホテルメトロポリタンで開催した。教団の三役や常議員の改選が行われ、議長には石橋秀雄氏(越谷教会)、副議長には久世そらち氏(札幌北部教会)、書記には雲然(くもしかり)俊美氏(秋田桜教会)が選出された。石橋、雲然の両氏は現職で、今期で5期目。同教団が公式サイトで総会速報として伝えた。
総会速報によると、議長選は1日目夜に行われたが、過半数を満たす当選者がいなかったため、2日目朝に再投票が行われた。最初の投票では、副議長の佐々木美知夫氏(静岡教会)が139票と、久世氏(135票)、石橋氏(85票)を上回っていたが、再投票では久世氏の票が石橋氏に大きく流れ、石橋氏(188票)、佐々木氏(150票)、久世氏(28票)という結果になった。
副議長選は主に、久世、岸俊彦(経堂北教会)、佐々木の3氏による争いで、2回の投票が行われたが、いずれも過半数を満たす当選者がいなかったため、上位2人による決戦投票が行われた。その結果、187票を獲得した久世氏が、175票の岸氏を退け選出された。
書記は慣例に従い、議長と副議長が推薦し、指名された雲然氏が承認された。
選出後、石橋氏は「一致して伝道推進に取り組み、機構改正をすることを全教団として取り組んでいく。この危機的な状況を全教団的に進めていきたい」とコメント。久世氏は「思いもよらないことで、大きな責任を担うことになった。この総会のみならず、これからの2年間の日本基督教団のために何をすることができるのか皆さんと共に考えていきたい」と語った。
総会の主題は「伝道する教団の建設―伝道の命と力の回復」。初めて、海外からの説教者として、大韓イエス教長老会(統合・PCK)の李秀英(イ・スヨン)牧師を招いて開会礼拝をささげたほか、インドネシアの「ミナハサ福音キリスト教会」(GMIM)との宣教協約を可決し、締結式を行うなどした。
フリー聖餐を行ったとして、2010年に牧師職の免職戒規処分を受けた北村慈郎氏については、処分の無効と撤回を求める議案もあったが、教憲教規に抵触する議案であるため総会では取り扱えないと、議長と書記から説明があったという。
総会には、海外からは韓国や台湾、米国、英国、インドネシア、ドイツなどの教団や、世界教会協議会(WCC)やアジアキリスト教協議会(CCA)などの団体から来賓が参加したほか、国内からも日本キリスト教協議会(NCC)や在日大韓基督教会などから来賓が参加した。