12日に迫った史上初となる米朝首脳会談を前に、韓国の首都ソウルで7日、会談の成功を願う徹夜のキャンドル祈祷礼拝が行われた。スイス・ジュネーブと米首都ワシントンでも同日、朝鮮半島の平和を願い、連帯の祈りがささげられた。
ソウル市庁舎近くで開催された祈祷礼拝は、韓国基督教長老会総会(PROK)と韓国キリスト教教会協議会(NCCK)が共催した。祈りと賛美、聖書朗読が行われ、PROKの韓基陽(ハン・キヤン)牧師がメッセージを伝えた。韓牧師は、対話と相互の安全保障の確証によって、朝鮮の人々が対立という分断に橋を架けようとしているとし、世界はそれに続いていく必要があると語った。その上で、敵対的な脅しをやめ、相互の信頼を築くことで平和を求めるよう、国の指導者らに訴えていくよう参加者を促した。礼拝後には人々がろうそくを手に持ち、市庁舎から米大使館前までを行進した。
ジュネーブでは、世界教会協議会(WCC)がエキュメニカルセンターのチャペルで同日正午、キャンドル祈祷礼拝を行った。礼拝では、南北が統一された朝鮮半島を願い、平昌(ピョンチャン)冬季五輪でも使われた「統一旗」がデザインされた祈りのカードが配られた。
ワシントンでは、米国キリスト教教会協議会(NCCC-USA)が祈りの集会を開催した。同協議会のジム・ウィンクラー議長兼総幹事は、朝鮮半島の平和のために行ってきた何十年にもわたる取り組みを回顧。「われわれは単純に平和のために祈ってきた。それを理想主義的だと言う人々もいたが、われわれは『他者』を悪魔のように扱うことを拒みつつ、平和のために提言し、会議を開き、また各国政府とも対話するなど、高次元の活動も行ってきた」と語った。
米国のドナルド・トランプ大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による会談は、現地時間12日午前9時(日本時間同10時)から、シンガポール南部のリゾート地セントーサ島にある高級ホテル「カペラホテル」で開催される予定。