<本文と拓本>文字32(1176+32=1208)
廣慈救衆苦(慈しみを廣くして衆苦を救う)、善貸被群生者(善く貸して群生を被らせるは)、我修行之大猷(我が修行の大猷で)、汲引之階漸也(吸引の階漸なり)。若使風雨時(風雨をしての時)、天下静(天下は静に)、人能理(人能く理まり)、・・・
<現代訳>
慈悲の心は不幸で苦しむ民を救い、善く貸して国民を助けることは私たちの徳目の目標で民を導くことです。もし風雨(苦難の時を表現した言葉)の時、天下は静まり、人は治まり・・・
<解説>
国の政策が国民に目を向けるなら国は発展していきますが、皇帝の傲慢で政治を行うなら民は苦しみ、争いや犯罪が横行します。この時代は、慈悲の心で苦しむ民に手を差し伸べたことが書かれています。景教の使命と実践は慈悲と扶助であり、そのためには主である神様に倣うことが勧められていました。
※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
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