東日本大震災発生から7年を迎えるのを1カ月前に控えた11日、第83回東日本大震災&熊本地震復興支援超教派一致祈祷会が、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で行われ、教職や信徒ら約50人が被災地のために祈りをささげた。
同教会の峯野龍弘主管牧師が震災直後、プロテスタント宣教150周年記念大会(2009年)の共同実行委員長らに呼び掛け、11年4月11日に第1回を開催して以来、毎月11日に絶やすことなく続けてきた。この日、現地報告を行った福島県いわき市のNPO法人グローバル・ミッション・ジャパンの小野泉副理事長は、「毎月お祈りに覚えてくださることに、被災地として心から感謝している」と謝意を示した。
グローバル・ミッション・ジャパンは、震災発生直後から物資支援などの活動を始め、これまでに国内だけでなく、40カ国からボランティア延べ約1万5千人を受け入れてきた。被災者へのメンタルケアや音楽慰問をはじめ、中高年者の太極拳教室や子どもたちのかけっこ教室の開催、農業支援、防災講話会や再建企業見学の実施など、幅広い支援活動を展開している。
小野さんは、震災から間もなく7年となる被災地への今後の支援内容について、「人々に寄り添って、人々のニーズをくみ取っていくしかない」とし、「これからも、被災地の方々の希望を受け取りながら、一つ一つ無理をせずに支援活動を続けていきたい」と語った。
また、「わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである」(エレミヤ29:11)を引用。「この御言葉が、7年近く僕を支えてくれた御言葉。地元で踏ん張って、これからも支援活動を行っていこうとしている。土台はイエス様。被災者でありながら支援活動をしている特殊な状況にあるが、福島を覚えてぜひとも応援をお願いしたい」と呼び掛けた。
参加者たちは現地報告の後、被災地の支援団体や教会、地域経済、原発問題など、具体的な課題を一つ一つ取り上げ、共に祈りをささげた。また、熊本地震の被災地復興や、日本時間の7日未明に台湾東部で発生した地震の被災者のためにも祈った。
この日は、被災地への支援活動に取り組むクリスチャン・サウンド・アーティストの中村匡(ただし)さんが音楽ゲストとして出演。仙台市郊外にあるカフェ「生石庵(おいしあん)」のために作曲した「プレイス・トゥ・リターン」など、オリジナル曲3曲をウクレレで演奏した。