スイス・ジュネーブのエキュメニカル・センターで1月24日、キリスト教一致祈祷週間と世界教会協議会(WCC)の創立70周年を記念する礼拝が行われた。
WCCは1968年以降、ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会(PCPCU)と協力し、同週間のための冊子を毎年共同で発行している。同週間は北半球では伝統的に1月18日から25日までで、今年は出エジプト記15章6節の「主よ、あなたの右の手は力によって輝く」がテーマ。毎年、担当国・地域が持ち回りで準備をしており、今年はカリブ諸国の諸教会が礼拝式文などを用意した。
エキュメニカル・センターのチャペルで行われた礼拝は、ジュネーブ・エキュメニカル教会コミュニティー集会(RECG)が主催した。冒頭には、WCC創立70周年記念行事のコーディネーターで、約30年にわたってエキュメニカル運動に携わってきたゲオルギオス・レモポウロス氏(WCC元総幹事代行)が歓迎の辞を述べた。
WCCは今年1年を通じて、加盟教団・教会が平和と正義に向かって進んでいくよう、さまざまなイベントを企画し、創立70周年を祝うことにしている。
礼拝の説教を取り次いだのは、ジュネーブ・エキュメニカル神学ワークショップのプロテスタント側の責任者であるジョーゼット・グリビ氏。説教では、敵対する者に対する神の怒りが、苦しむ人々にとってはいかに力と愛のしるしになるかを語った。
出エジプト記15章には、エジプトの軍勢に追われたイスラエルの民が、真っ二つに割けた葦(あし)の海を渡って助かり、神に賛美する場面が描かれている。グリビ氏は「(エジプトの)兵士たちと相対するとき、神の民(イスラエルの民)には生き残る見込みはまったくありませんでした。しかし、神の力によって彼らは敵から逃れるのです」と語った。
また、神は自分の民を解放するために来てくださり、歩き続けるよう励ましてくれると強調。「神の民には忍耐が必要です。そして(また別の)さまざまな困難に立ち向かうことになります」と伝えた。この他、「カリブ諸国の人々は奴隷から解放されましたが、いまだに困難な時代を生きているのです」と、植民地時代に長い間、奴隷制度に苦しみ、今もその傷跡が深く残るカリブ諸国について触れた。