日本でも1月に行われたキリスト教一致祈祷週間を準備したラトビアの教会。「ルーテルやローマ・カトリック、正教、アルメニア使徒、バプテスト、アドベンチスト、ペンテコステ派、メソジストの諸教会や時には古儀式派の共同体の代表者たちまでもが参加する、エキュメニカルな祈りと祝祭に加えて、ラトビアにおけるキリスト教徒の一致はたいてい実際的な協力という形をとる」と、同国のフリーランス・ジャーナリストで写真家のイバルス・クプチス氏は1月21日、世界教会協議会(WCC)の公式サイトで報じた。
「それには共同の神学会議、神学教育や公立学校のためのエキュメニカルな宗教教育のカリキュラムの準備における協力が含まれる。国家当局との関係でも、さまざまな教派のキリスト教徒たちが共通の立場をとることができており、声を一つに合わせて語る力によって教会は自らの諸価値をより効果的に伝えることができた」とクプチス氏は述べている。
「異なる諸教会やさまざまな諸教派の会衆同士の関係は、いつになく良くて信頼の置けるものだ。教会指導者たちは単なる同僚というだけでなく、親友でもある」と、ラトビア福音ルーテル教会のジャニス・バナガス大監督は振り返った。「これは主にソビエト体制の間における迫害のせいであり、それは不一致や競争を脇に置くこと、そして私たちが皆キリスト教徒であり、同じ天の父の子たちだということを私たちに教えてくれたのだ」
同時に同大監督は、ラトビアにおけるエキュメニカルな対話を妨げているのは、エキュメニズムにおいて十分に資質のある神学者たちの不足だと認めている。この理由のために、実際には地域でのエキュメニカルな対話の表現というものがなく、グローバルでエキュメニカルな過程で生み出された文書についての十分な研究や議論さえない。
しかしながら、クプチス氏によると、キリスト教一致祈祷週間はエキュメニカルな協力の極致のようであり、より幅広い市民に対する証しのための良い機会であるという。「ラトビアでは、祈祷週間の主な行事の一つが、(首都)リガにある聖ヤコブ大聖堂で21日木曜日に行われたエキュメニカルな礼拝で、ラトビアのローマ・カトリック大司教であるズビグネブス・スタンケビクス首都大司教、ラトビア福音ルーテル教会のペテリス・スプロギス監督、リガおよびラトビア正教会のアレクサンデル府主教、その他のキリスト教会の聖職者たちが参加する」。また、さまざまな教会や教派の神学生や信者たちも出席したという。
キリスト教一致祈祷週間は、ラトビアの他の地域でも会衆が共同の活動を企画するのを促した。この週は毎日、エキュメニカルな教会の礼拝がラトビア中部の都市・スィグルダやその周辺のカトリックやルーテル、バプテスト教会、スィグルダにある病院の礼拝堂などで行われた。
毎晩、エキュメニカルな行事がラトビア東部の都市・マドゥオナでも行われる。例えば、1月20日(水)には、マドゥオナの諸教会が夕べの祈りのためにエキュメニカル祈祷礼拝堂に集まり、そこでルーテルやカトリック、バプテストの各教派からの参加者たちが一年を通じて1日24時間祈り続けている。
23日には、マドゥオナにある諸教会の聖職者たちや地元メディアの代表者たちが、ラトビアにおけるエキュメニズムやマドゥオナのキリスト教徒たち同士の一致の経験に関する公開討論に参加した。
一方、ラトビアには一年を通じて定期的にエキュメニカルな交わりを持つ長い歴史のある諸教会や地域がある。この良い例が、トルンカルンスのルーテル教会、アゲンスカルンス・バプテスト教会、そして聖テレサとマグラダのマリアの各カトリック教会という、リガの近隣にある四つの教会で、そのエキュメニカルな友情は20年間にわたって続いてきた。これらの諸教会の聖職者たちは最近の出来事について話し合うために月に1度会合を行い、年に1度教会員たちのより幅広い集会がこれらの教会のうちの一つで開かれる。
これらの教会はまた共通の暦を発行しており、それは各地域で幅広く頒布されていて、諸教会はリガ子ども病院で共同による霊的ケアの宣教奉仕活動を行っている。
「さまざまな教派の教会同士の調和は、キリスト教徒の信頼性を強め、宗教的諸伝統の間の平和は社会を安定させる要因となっている」と、福音ルーテル教会のジャニス・バナガス大監督は、世界でいま起きていることに照らし合わせて語った。
お互いに喧嘩(けんか)しない諸教会は、傷ついた世界の苦しみを和らげるために共に働き、平和をつくる者として、信頼のおけるものとなる可能性がより高いと、同大監督は付け加えた。