さまざまな教派がキリストにおいて一致し共に祈ろうと、カトリック中央協議会と日本キリスト教協議会(NCC)の主催、日本聖公会三光教会(東京都品川区)の共催により、17日午後2時半より同教会で「2016年キリスト教一致祈祷週間 東京集会」が行われた。
1908年にポール・ワトソン神父(アトンメントのフランシスコ修道会の創立者)によって1月18日から25日までの間に行うように提案され、毎年世界各地で行われているこの祈祷週間。今年は「主の力あるわざを、広く伝えるために招かれて」(ペトロの手紙一2章9節)をテーマに、バルト三国の一つ、ラトビア共和国のさまざまな教派の代表が、一致祈祷週間のための冊子を準備した。
17日のこの集会では、NCC議長の小橋孝一牧師(日本基督教団)による司式のもとで礼拝が行われ、70人が参加した。
前奏と準備としての沈黙の祈りの後、開会に当たって入堂の賛美歌「ほめたたえよ、力強き主よ」(『讃美歌21』7番)が歌われ、司式者らが聖書、灯り、塩を持って入堂。司式者が「私たちはこの一致祈祷礼拝のために集い、キリスト者としての尊厳と召命を神に感謝します」「今年は、この礼拝を準備してくださったラトビアのキリスト者と共に祈ります」などとあいさつした。
その後、聖霊の祈りに続いて、ロシア正教会の聖歌「キリエ・エレイソン」(主よ、憐れみたまえ)の応唱で赦(ゆる)しを求める和解の祈りと、御言葉の宣言が行われ、三光教会司祭の神崎和子牧師がイザヤ書55章1~3節と詩編145篇8、9節、15~18節、ペトロの第一の手紙2章9、10節、マタイによる福音書5章1~16節を朗読した。
その後、カトリック東京大司教区の幸田和生・補佐司教が「主の力あるわざを伝えるために」と題して説教を行った。
その中で幸田司教は、「『主の力あるわざを、広く伝えるために招かれて』という、ペトロの手紙からとられた言葉が今年のテーマになっていますが、本当に主の力あるわざを広く伝えるために、教派を超えて協力していこう、それは王として、祭司としての働きにおいて協力していこう、『地の塩・世の光』として歩むことにおいて協力していこう、そういう呼び掛けであると感じます」と語った。
「私たち日本のキリスト者も、こうして心を合わせて祈ることができるようになっています。もちろん、それも大切なことですけれども、本当に、イエス様のメッセージ、イエス様の福音をこの社会の中で証ししていくために、伝えていくために、そういう神様から与えられた使命をもっともっと共同で生きることができるようになれたら素晴らしい」と幸田司教は述べた。
その上で幸田司教は、「本当に、私たち日本のキリスト者が、教派の違いを超えて、神からの使命を力を合わせて生きることができますよう、ご一緒に祈りながら、今日の礼拝をささげたい」と結んだ。
そして、会衆は、『日本聖公会聖歌集』476番「暗闇行くときには」を歌いながら、ラトビアの教会のために献金をささげた。
司式者が「塩と光となるために」という一つの使命を共有しているからだと述べた後、神の聖なる民になりたいと願う希望の祈りが交読形式で行われた。そして、カトリックと聖公会統一訳による「主の祈り」が一緒に唱えられた。
それから会衆が「主の平和」と言いながら、平和のあいさつを交わすと、司式者は「祝福と派遣」で山上の説教からマタイ5章1~10節にある「幸い」を告げて会衆を祝福し、キリストの平和のうちに行くよう会衆を遣わした。最後に閉会の賛美歌「さあ、共に生きよう」(『讃美歌21』419番)が歌われる中で、司式者らが聖書、灯り、塩を持って退堂すると、この日の集会が締めくくられた。
なお、この他にも同様の集会が14日から31日まで岩手県・東京都・神奈川県・山梨県・兵庫県・広島県・愛媛県にある11の教会ですでに行われ、または予定されている。詳しくはNCCの公式サイトを参照。