世界教会協議会(WCC)とカトリック教会が呼び掛ける「キリスト教一致祈祷週間」が、2015年1月18日から25日まで開催される。この祈祷週間は、毎年この期間に行われており、他の日程に変更する南半球の一部地域を除き、全世界で行われる。
1月半ばのこの8日間は、1908年にアトンメントのフランシスコ会創設者ポール・ワトソン(1863〜1940)によって提案されたもので、当時祝われていた聖ペトロの祝日と聖パウロの祝日を結んだ期間。アトンメントのフランシスコ会は、キリスト者の一致を願って英国国教会の司祭と修道女によって米国で設立された。
祈祷週間では、イエス・キリストの御心に従って、諸教会が交わりを深め、完全な一致に到達することが祈り求められるが、来年のテーマは「イエスは『水を飲ませてください』と言われた」(ヨハネ4:7)。サマリヤの女とイエス・キリストの出会いの場面から、文化的背景の異なる者同士の対話と受容、神による一致を学ぶ。
今回の祈祷週間の準備は、ブラジルの教会が行った。ブラジルでは宗教市場の競争が激化し、政治と結びつくなどしているという。その問題は、女性や先住民族などの弱者への暴力として表面化しており、教会同士の一致に大きく歯止めをかけているという。
日本キリスト教協議会(NCC)とカトリック中央協議会は、この祈祷週間のための小冊子『2015年キリスト教一致祈祷週間』およびポスターを作成し、先月から配布を行っている。WCCと教皇庁キリスト教一致推進評議会が共同発行した資料に基づき、小冊子には、▽2015年のテーマの解説、▽エキュメニカル礼拝式文、▽8日間の聖書の黙想と祈り、▽ブラジルにおけるエキュメニズムの状況、などがまとめられており、事前に目を通すことで祈祷週間への備えができるような内容となっている。
両団体は、この小冊子が祈祷週間だけでなく、一致を求める個人の祈りやエキュメニズムの活動推進のために年間を通して用いることができるよう配慮しているとしており、「ブラジルの教会とともに世界に広がる教会と心を合わせて、今年もキリスト者の一致を祈りましょう」と呼び掛けている。
小冊子・ポスターは、カトリック中央協議会のホームページからダウンロードできるほか、希望者には無料で(送料は受取人払い)で送付している。
キリスト教一致祈祷週間の詳細・問い合わせは、日本キリスト教協議会(電話: 03・3203・0372、ホームページ)、カトリック中央協議会エキュメニズム部門 (電話:03・5632・4445、ホームページ)まで。