ルーテル世界連盟(LWF)とローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会(PCPCU)は、世界中のルーテル教会とカトリック司教協議会に対し、2017年の宗教改革500周年記念に備えるために合同で作られた『共同の祈り』を用いるよう求めている。LWFが8日に公式サイトで記者発表した。
同日付でカトリック司教協議会とLWF加盟教会の監督や議長および他の指導者たちに宛てた合同の書簡で、LWF総幹事のマルティン・ユンゲ牧師・博士とPCPCU議長のクルト・コッホ枢機卿は、2017年の宗教改革のルーテルとカトリックによる合同祈念のための『共同の祈り』を紹介している。この文書はLWFとPCPCUの一致に関するルーテル=カトリック委員会の式文特別委員会によって初めて合同で作られた式文である。それは最近の研究報告書である『争いから交わりへ:2017年に宗教改革を共同で記念するルーテル教会とカトリック教会』(日本語版は教文館刊、2015年)に基づいており、カトリックとルーテルの各共同体にこの祈念における合同の祈りを求めている。
この『共同の祈り』には、二つのキリスト教の伝統にある諸教会が持つ地域の礼拝と音楽の伝統に合わせることができる資料が含まれている。
「この『共同の祈り』は、争いから交わりへの私たちの共同の旅においてとても特別な時を示すものだ。この世界における神の恵みを証しするこの旅に、あなた方をお招きすることができたことを、感謝している」と、ユンゲ氏とコッホ氏はルーテルとカトリックの教会指導者たちに向けて記している。
この二人の指導者たちは、この二つの教会が史上初めて共に16世紀の宗教改革とその意図について記述している、『争いから交わりへ』という文書を共に学ぶことにおける、カトリックとルーテルによる多くの合同による企画や約束に、感謝の意を表している。一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会が2013年に作ったこの報告書はカトリックとルーテルの各共同体に幅広く頒布されてきている。それはLWFの4つの公式言語―英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語―—で入手できる上、他のいくつかの国語や地域の言語に訳されている。
『共同の祈り』は、カトリックとルーテルの宗教改革500周年を合同で記念する礼拝の過程についての実際的な手引きである。それは感謝、悔い改め、共通の証しに対する責務というテーマをめぐって構成されている。その目的は、宗教改革という賜物を表現し、この2つの伝統のクリスチャンたちが永続させてきた分断についての赦しを求めることである。
「それは感謝と告白において振り返り、共通の証しと継続的な旅に自ら責務を負いつつ、前を向く機会を提供するものである」と、この『共同の祈り』の前書きには記されている。
それは、カトリックとルーテルが『共同の祈り』の礼拝でどのように司会をして共に朗読するべきかについての提案を示している。さまざまな多文化の文脈から賛美歌や歌の例、それからお互いの喜びと悔い改め、そして奉仕をしてこの世界に共に証しをしたいという願いを反映する聖書や告白文の朗読が示されている。
自らの合同書簡において、ユンゲ氏とコッホ氏は、両教会の指導者たちに、2017年がカトリックとルーテルのグローバルでエキュメニカルな対話の50周年記念でもあり、それには他の主要な研究の過程や文書が含まれていることを思い起こさせている。LWFにとって、この年は、「神の恵みによって解放される」を主題にナミビアのウィントフックで開かれる第20回総会と時を同じくする。
今年10月、LWFとPCPCUは合同によるエキュメニカル記念行事を、LWFが1947年に創設された場所である、スウェーデンのルンドで主催する。
なお、『共同の祈り』の全文(英文)はこちら。