パキスタン南西部の都市クエッタで17日、襲撃犯2人が礼拝中の教会を自爆攻撃し、少なくとも9人が死亡、50人以上が負傷した。
襲撃があったのはベテル記念メソジスト教会で、事件当時、教会には約400人の礼拝出席者がいた。クリスマスを間近に控え、礼拝には通常の250人を大きく上回る人々が集まっていた。
襲撃犯の1人が教会の入り口で爆弾を爆破させ、次に銃で武装した別の襲撃犯が礼拝出席者に向かって発砲。発砲した襲撃犯はその後、現場で警護に当たっていた治安要員に射殺された。
事件を受けて、世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事(ノルウェー教会牧師)は、犠牲者へ哀悼の意を表明し、暴力に対し団結し続けるよう呼び掛けた。
「人命を軽視するこのような惨劇を非難します。人々は礼拝するために教会に集っていたのです。このような破壊行為によって、私たちの信仰や団結、平和と正義に向けた取り組みが弱められることはありません」
クエッタは、パキスタン最大の州であるバローチスターン州の州都。同州はイラン、アフガニスタンの両国と国境を接する州で、イスラム過激派や分離独立派による襲撃が頻発している。
事件後、過激派組織「イスラム国」(IS)が、傘下の報道機関アマク通信を通じて犯行声明を発表した。しかし、襲撃の証拠など詳細については示していない。