カトリックとメソジストの両教会間のエキュメニカルな対話が始まってから、今年で50年を迎えた。これを記念して、世界メソジスト協議会(WMC)の指導者らは19日、バチカンを訪問し、ローマ教皇フランシスコと会談した。
バチカン放送(英語)によると、教皇は、これまでの継続的なコミュニケーションにより「私たちはもはや見知らぬ人ではありません」とコメント。洗礼により「神の家族の一員」だと語った。また、旧約聖書に記されている50年に1度の大恩者の年「ヨベルの年」になぞらえ、「私たちも疎遠と相互疑惑の奴隷から解放されました」と述べた。
訪問団の1人であるWMCのギリアン・キングストン副会長は、英国国教会の伝統に由来するメソジスト教会を「宗教改革の孫」と表現。ルーテル教会や英国国教会と違い、「私たちには、カトリック教会との間で解決すべきどんな歴史、教義、出来事もありません」と語った。
カトリックとメソジストの両教会は、50年前の1967年に「メソジスト=ローマ・カトリック国際委員会」を設置し、対話のための重要な協力関係を結んだ。キングストン氏によると、同委は第2バチカン公会議(1962〜65年)後に設けられた最初の国際委員会だという。
キングストン氏は、教皇を「すべての信仰者、また宗教を持たない人々の素晴らしい指導者」だとたたえ、両教会が相互に多くのことを学んでいると語った。
一方、教皇は、メソジスト教会の創始者であるジョン・ウェスレーに触れ、ウェスレーの説教、また「聖(きよ)め」(ホーリネス)の強調が、多くの人々をキリスト教信仰に導いたと指摘。他教派における聖霊の働きも認め、「彼らもまた、私たちが主により近づくことの助けとなり得るのですから、私たちは(他教派の存在を)喜ばずにはいられません」と語った。
カトリック系のCNA通信(英語)によると、教皇は、本当の一致には行動が必要だと強調。「これは、対話の新しい次元において、私たちを待ち構えている和解に向けた旅路なのです。私たちが共に祈り、和解と完全な交わりのために共に働かない限り、祈りと慈善について語ることはできません」と語った。