米合同メソジスト教会(UMC)と米国聖公会の「フルコミュニオン」へ向けた協議が大詰めを迎えつつある。両教団間の正式な対話はこれまで約50年にわたり、それぞれの総会で承認が得られれば、2021年にも互いの洗礼や聖餐、教職者を認め合う関係が実現する。
両教団による「聖公会・合同メソジスト協議委員会」は17日、フルコミュニオンの草案に関する書簡(英語)を発表した。
書簡には、UMCオハイオ西部教区のグレゴリー・V・パルメロ監督と米国聖公会モンタナ教区のC・フランクリン・ブルックハート主教が署名。「長年にわたる対話を経て形成された関係と、現時点で統合に対する神学的障害がないという認識により、草案の発表に至る道が開かれました」と記されている。書簡の最後は、「私たちはこの草案が、分裂しつつある世界において一致と和解の意義深い証人となることを信じており、この成果を推進する上で皆さんが私たちに賛同されることを祈っています」と締めくくられている。
今年1月の同協議委員会において全会一致で採択されたフルコミュニオンに関する第6草案(英語)によると、草案は2020年にUMCの総会、2021年に米国聖公会の総会で審議され、双方で承認される必要がある。承認されれば、2022年1月1日から発効する。
UMC監督会の信仰・職位・神学的発展のためのエキュメニカル担当幹事であるカイル・R・タウ氏は、クリスチャンポストに次のように語った。「(フルコミュニオンは)両教団がキリスト教信仰を共有し、聖職者が両教団間で有効であることを正式に認めるものです。両教団間の相違は、もはや教会の分裂と見なされません」
「このことが『フルコミュニオン』と呼ばれる理由は、聖餐式を祝うことを通して個々の教会が交流し合うことに焦点を当てているからです」
「構造的、組織的には別々であるものの、洗礼と聖餐式を通して両教団がキリストにあって1つの教会に結び合わされていることを、フルコミュニオンは認識させてくれます」
これまでの対話の一環として、2015年1月には米国聖公会のワシントン大聖堂で、UMCの女性聖職者が米国聖公会の聖職者と共に聖餐式を執り行った。
米国聖公会宣教部門のエキュメニカル・宗教間対話担当者で、15年のワシントン大聖堂での聖餐式にも出席したリチャード・マンマーナ氏は、今回の発表を「喜びと希望に満ちた出来事」と表現した。
マンマーナ氏は同年、クリスチャンポストに対し、「(草案に盛り込まれている)ガイドラインは、両教団間における共通の儀式や使命について規定しています。フルコミュニオンを目指した神学的議論を行い、両教団が段階的かつ慎重に前進していくに当たり、ガイドラインによって伝統の中で柔軟性を持つことが可能になります」と語っていた。
マンマーナ氏によると、米国聖公会はアメリカ合衆国長老教会(PCUSA)とも協議を継続しており、聖公会・ローマ・カトリック教会米国神学会議にも参加している。
タウ氏によると、UMCは既に、米国福音ルーテル教会(ELCA)やアフリカンメソジスト監督教会(AME)、モラビア教会などの他の教団とフルコミュニオンの関係にある。