白人が信徒の約8割を占める米・合同メソジスト教会(UMC)が、黒人系教会の伝統的な賛美歌を多数掲載した新しい賛美歌集を制作している。ここ30年で数百の黒人系教会が加盟し宣教に積極的に参加するなどして存在感が増していること、世代間の隔たりを埋める必要性が高まっていることなどが背景にある。UMCは1980年に黒人系教会向け賛美歌集を発行したが、今回はその続編と位置づけている。米キリスト教紙、クリスチャンポスト電子版(15日付)が報じた。
合同メソジスト教会は会員数820万を擁する(2005年4月現在)、主流派教会の一つ。歴史的には白人の教会だが、1970年代から黒人系やアジア系、南米系など人種を背景にもつ教会の参入が相次いだ。全米50の管区に配置される監督のうち、黒人系米国人は12人(男女含)に上る。
1980年発行の賛美歌集では、黒人系の教職・信徒の監修の下、伝統的な黒人系教会で歌われる賛美歌やオリジナル曲をまとめた。この歌集は国外でも販売され、100万部を超える売れ行きとなった。
新しい歌集は、西洋系の賛美歌の一部、黒人系教会で礼拝時に歌われる賛美歌を増やし、白人系教会にも設置できるよう配慮した。置き換えに伴う教会側の負担を軽減するため、前作で掲載された曲はできるだけ掲載せず、続編として発行する。発行は来年6月頃になる見込み。