イラク北部の小さな町アルコシュで、同国初となるキリスト教徒の女性町長が誕生した。地方自治体の首長に女性が選ばれるのは、2015年に首都バグダッドの市長に就任したイスラム教徒のゼクラ・アルワチ氏に続き2人目。
英カトリック・ヘラルド誌(英語)によると、カルデア典礼カトリック教会の信徒であるララ・ユシフ・ザラ氏(35)が7月27日、対立候補の1人を破り、町議会の全会一致で町長に選出された。
ザラ氏は経済学と経営学を修め、06年に大学を卒業。汚職のために解任されたアブドゥル・ミカ氏の後任となる。
アルコシュは、約3年間にわたって、過激派組織「イスラム国」(IS)が占拠し、拠点としていた同国第2の都市モスルの北約50キロに位置する。人口は約1万人で、住民のほとんどがキリスト教徒。現在、キリスト教徒を含む同国の少数派が、クルド人自治政府による独立運動を支援すべきかをめぐって緊張が高まっており、ザラ氏が住民の間に一致をもたらすことに期待する声が出ている。