米東部ノースカロライナ州で2015年に起きた交通事故により、2人の息子を亡くした牧師夫婦にこのほど、双子の男の赤ちゃんが誕生した。
同州シャーロットにあるメガチャーチ、フォレストヒル教会でワーシップリーダーを務めるジェントリー・エディングス牧師と妻のハドリーさん(ともに28)は、双子をアイザイア・ドブスとエイモス・リードと名付けた。亡くなった2人の息子の名前であるドブスとリードを、双子のそれぞれのミドルネームに付けたのだ。今月10日に生まれた赤ちゃんは2人とも健康だという。
事故は15年5月、同州ハムステッドの国道で発生。エディングス一家は、ジェントリーさんの姉の結婚式に出席し、翌日、他の3組の家族と一緒にそれぞれの車に分乗して家に帰っているところだった。しかし、赤信号のため交差点で4台が停車していたところに、マシュー・ディーン受刑囚(28)=禁錮27〜32月確定=が運転するトラックが、ジェントリーさんの運転していた最後尾の車に追突。トラックはその車を押しのけ、さらにハドリーさんと長男のドブスちゃん(当時2)が乗っていた次の車にも追突した。夫婦は軽傷で済んだが、激しく破損した後部座席のチャイルドシートに乗っていたドブスちゃんは、病院へ搬送される途中で亡くなった。
ハドリーさんは当時妊娠8カ月で、緊急帝王切開で次男のリードちゃんを出産したが、リードちゃんも生まれて3日後に亡くなった。事故は新聞やテレビでトップニュースとして扱われたが、夫婦は事故の数日後には、ディーン受刑囚を赦(ゆる)すと公に語っていた。
「私たちは、心の中でこの運転手を赦しました。それは簡単なことではありませんでしたが、ハドリーと私はこのことを知っているのです。つまり、イエス・キリストが私たちの負債を赦してくださったということです。だから、事故を起こした男の人を赦すことは、ある意味では簡単なことでした」
ジェントリーさんは、息子たちの葬儀でこのように述べ、参列者たちには、ディーン受刑囚や「自分の人生で自分に敵対している人」を赦すよう呼び掛けていた。
悲惨な事故をどのようにして乗り越えることができたのか。ハドリーさんは地元のテレビ局WRALに対し、次のように語っている。
「唯一考えることができるのは、神様が私たちをここ(地上)に残したということは、まだ何か神様からの使命が残っているということです。思い当たることがあるとすれば、それだけです」