「ジーザス・ジューン・フェスティバル2017」(日本民族総福音化運動協議会主催)が26日、21世紀キリスト教会広尾教会堂(東京都渋谷区)で開催された。14回目を数える今年の集会は、天野弘昌氏(日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団草加神召キリスト教会牧師)によるメッセージ、そして福音歌手の森祐理さんによる90分のフルコンサートがあった。
天野氏がひもといた聖書箇所はエゼキエル書47章9~12節。「聖霊にあふれ流れ今ここに」という題で語られた。
「私は日本に素晴らしいリバイバルが起こることを信じている。そのためには聖霊に満たされることが必要だ。聖霊に満たされると神の御業が起きることを、私は真正面から信じている」
そして、使徒言行録のペンテコステの箇所から、初代教会の使徒たちに降り注いだ神の圧倒的な力を話し、自身もこのことを信じて牧会を続けてきたことを明かした。
天野氏は最初、米資系銀行(現JPモルガン・チェース銀行)で働いていたが、献身して草加市で開拓伝道を始めた。その草加神召キリスト教会も今年で25周年を迎える。今では4千数百人も集っているが、当初は、救われても教会からすぐ去ってしまう人が多かった。そんな中、ペンテコステの力が本当に必要だと気付き、「油注がれる親父(おやじ)になろう」と決意して、生きておられる主の臨在を追い求めてずっと祈り続けたという。そして、聖霊の圧倒的な力を神様にいただいた時からリバイバルが起こり、続々とイエスを信じる人が起こされた。
「マルコ16章18節には『病人に手を置けば治る』と書いてあります。私たちはもちろん聖書・御言葉信仰です。御言葉には力があり、権威があります。でも、その御言葉の力を私たちが本当に表さないと、人々は分からない。イエス様を証明するような福音宣教が必要です。
ペンテコステの日、ペトロは、イエス・キリストこそ私の主、王であると強い意志を持ち、さらに自分の内側に共にいてくださることを信じていました。この方を持っていれば怖いことはありません。なぜなら、この方は全知全能の神で、不可能なことはないからです。その方の御力が私の内にある。このことを確信し、自分の生活の中に生かし、それを修練・修得していくと、すごいことになります」
天野氏は幼い頃から優秀な兄と比べられて育ち、その兄が10代の時に自死すると家庭はめちゃくちゃになり、両親を支えなければと思いつつ、どうすればいいのか分からない状態だった。そんな時、イエスと出会い、病の母と一緒にクリスチャンになったという。
「祈っても、かなえられないことがある。なかなか思い通りにならない試練がある。しかし、祈りは無駄ではない。人知を超えた御業を与えてくれる」
そして、救われて数カ月で母の病が癒やされたことなど、これまで経験したさまざまな主の御業を証しした。
「リバイバルは神の御業です。私たちのできることは、それを信じて、思い描いて、祈り続けて、求め続けることです。皆さんを通して、永遠のいのちを得る人がたくさん起こされ、誰も滅びず、多くの人が救われるよう祈っていきたい」
その後、森祐理さんによる「いのちのメッセージ―心の扉をそっと開いてみませんか」と名付けられたコンサートが行われた。そこでは賛美歌だけでなく、童謡唱歌や映画音楽なども歌われたが、「シャボン玉」や「青い山脈」などもキリスト教と深い関係があると説明した。そして、聴衆一人一人と握手し、時には肩にそっと手を置きながら歌う森さんに、会場は温かい雰囲気に包まれた。
森さんは、1995年の阪神淡路大震災で、当時22歳だった最愛の弟・渉さんを失った。その悲しい経験を通して、国内外の被災地で支援コンサートを続けている。この日も、ネパール地震や東日本大震災の被災地での活動の様子がスクリーンに映し出された。
また、昨年6月には父親をがんで亡くしている。その日はちょうど常総水害復興支援コンサートに出演することになっており、出掛ける時に「自然体」と言って送り出してくれたが、それが最後に交わした言葉になってしまった。
「『主にゆだねて自然体で生きていけ』と言ってくれたのだと思います。生前、父に『死ぬのが怖いか』と聞いたことがあります。その時、少し間をおいて、『渉と会えるのが楽しみ』と言ったのです。父にとっても最もつらく悲しいことを、神様は死を乗り越える希望に変えてくれました。この希望を伝え、広めることこそ、私たちの役目だと思います。主は生きておられます。イエス様の愛を伝えていきましょう」
集会に参加した30代のクリスチャンの女性は、「天野先生からは、御霊に満たされることの大切さを教わった。また森さんの歌を聴き、被災地の人たちのことを思うことができた。神様と対話する時間がほしいと思った」と感想を語った。