ペンテコステ前日の3日夜、ロンドン中心部のロンドン橋周辺で、男3人が車で人々を次々にはねたり、ナイフで刺したりするテロ事件が発生し、7人が死亡、50人近くが負傷した。英国ではこの3カ月の間に3回のテロ事件が発生したことになり、テロに対する危機感が一層強まっている。こうした中、聖霊降臨を記念するペンテコステを迎えた翌4日には、英国内の教会指導者らが続々とコメントを発表し、犠牲者やその家族のために祈りをささげ、団結を呼び掛けるとともに、人々の癒やしや平和のために聖霊の力を求めた。
英国国教会のトップであるカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは、負傷者と亡くなった人々に哀悼の意を示し、ツイッターに次のように書き込んだ。「再び、私たちは、つらく悲しい目に遭った負傷者の方々と亡くなった方々のことを悲しみます。今日、私たちは『聖霊よ、来てください』と祈ります。平和と癒やしの御霊を求めるのです」
英国メソジスト教会ロンドン教区のミカエラ・ヤングソン、ナイジェル・カウギル両議長は、「私たちの思いと祈りは、亡くなった方々、負傷された方々、悲しんでいる方々と共にあります。私たちは再び、救急隊員と、他の人々を危害から守るために自らを危険にさらした一般の方々の勇気に満ちたストーリーに深く感動しています。今日、私たちが教会と家庭で祈りをささげるとき、私たちはこれらのテロ事件が私たちの街に恐怖を広げることにつながるのではなく、私たちを互いに憎み合わせようとする者たちに対して、ロンドンに住む者たちがもう一度団結して立ち向かうことへとつながるように祈っています」と述べた。
世界的に著名なキリスト教入門講座「アルファ」で知られるホーリー・トリニティー・ ブロンプトン教会(英国国教会)のニッキー・ガンベル牧師は、「ゾッとするようなテロ事件に衝撃を受け、悲しみで満たされています。世界はかつてないほどに聖霊が注いでくださる神の愛を必要としています。ロンドンのために祈りましょう」とコメントした。
英国コプト正教会のトップであるアンジェロス主教は、「今日、ペンテコステを祝いつつ、私たちは慰め主なる聖霊が、御自身の慰めをあらゆる犠牲者たちと、暴力とテロの標的にされた人々へお送りくださるように祈ります」とツイッターに書き込んだ。
英国国教会ロンドン大執事のルーク・ミラー司祭は、「今日、ロンドンの諸教会は礼拝のために開かれています。テロの脅しによって、ペンテコステを祝うことをやめないでください。悪は祈りによって打ち負かされます」と語った。
英国国教会の伝道組織「チャーチ・アーミー」のマーク・ラッセル最高責任者は、「今日は平和と希望の御霊である聖霊が送られたペンテコステです。私たちはロンドンのテロ事件で被害に遭われたすべての人々のために祈ります」と述べた。
テロ現場から遠くないところにあるオアシス教会の創立者で、人身売買に関する国連特別顧問も務めたスティーブ・チョーク牧師(バプテスト派)は、英国の平和を祈った。
「主よ、私たちの国に平和をもたらしてください。私たちの世界に平和をもたらしてください。私たちが自分たちの祈りの答えの一部になることができる方法をお示しください。最も暗い時にさえ、平和の道を選んでください。暴力は常に、さらなる暴力だけを生み出します」