22日夜(日本時間23日朝)、英中部マンチェスターで開催されていた米人気ポップ歌手アリアナ・グランデさんのコンサートが終わった直後、自爆テロが発生し、子どもを含む22人が死亡、少なくとも59人が負傷した。負傷者の中には、少なくとも子ども12人が含まれており、数人は重体だという。事件に対しては、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出している。事件を受け、キリスト教指導者らは、哀悼の意を示すとともに、犠牲者や遺族のために祈りをささげた。また、事件が人気歌手のコンサート会場で発生したこともあり、著名な歌手らも祈り心を寄せたメッセージを送った。
英国国教会のトップであるカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは、愛する人を失った遺族のために祈っていることを伝え、「邪悪な悪の力はマンチェスターを打ち負かすことはできません」とツイッターに投稿した。
「勇敢なマンチェスター、邪悪な悪の力はマンチェスターを打ち負かすことはできません。私たちは喪失と痛みの困難なプロセスの中で悲しんでいる方たちのために、そして私たちを守ってくれる方たちのために祈ります」
同教会のマンチェスター教区のデイビッド・ウォーカー主教もまた、マンチェスターのための祈りを要請する中で、マンチェスターはテロに屈しないと語った。
「どうぞマンチェスターの人々を祈りに覚えてください。私たちは以前にもテロ事件に遭遇しました。今回の事件も私たちを打ち倒すことはありません」「昨夜の悲劇を楽しもうと早々と動き回る者たちへ。あなたがたの言葉自体があなたがたを裁くのです」
カトリック教会のローマ教皇フランシスコは、今回のテロ事件によって「深く悲しんでいる」と述べ、負傷者たちと亡くなったすべての人々のために祈ると語った。
バチカンの声明には、「教皇フランシスコは、マンチェスターでの野蛮なテロ事件によって人々が傷つき、命が失われたことを知って、深く悲しんでいます。そして教皇フランシスコは、この愚かな暴力行為の被害を受けたすべての人々との心からの連帯を表明しています」と書かれている。
「教皇フランシスコは、救急隊員と警備員の惜しみのない努力を称賛し、負傷者たちと亡くなったすべての人々のために祈ることを約束されています。命を失った子どもたちや若者たちと悲しみに暮れる遺族のことを特に心に覚えて、教皇フランシスコは神の平和、癒やし、強さの祝福を求めて祈っています」
事件を受けてポップ歌手たちもコメントを投稿し、祈りをささげた。
「マンチェスターの悲しい、悲しいニュース。犠牲者の全員とご遺族のために祈っています」(ゲイリー・バーロウ)
「アリアナ・グランデのコンサートにいたすべての人のために祈っています」(ケイティ・ペリー)
「私はマンチェスターの人々のために祈っています。若い子たちも年上の人たちも、そこで特別な時を経験した人々のために」(シェール)
英国国教会は平和を呼び掛けつつ、マンチェスターのための祈りを発表した。
平和のための特祷
おお、平和をおつくりになり、一致を愛する神よ。
あなたが永遠の命であることを知り、あなたにお仕えすることは完全な自由をもたらします。
私たちの敵のあらゆる襲撃の中で、あなたの卑しいしもべである私たちをお守りください。それによって私たちはあなたの守りを確かに信頼して、あらゆる敵の力を恐れないでいられるのです。
私たちの主、イエス・キリストの御力を通して。
アーメン。
同教会リーズ教区のニック・バインズ主教は23日朝、自身のブログで「犯人の卑劣さは明らかです。何も知らない子どもたちや若者たちをターゲットにする者が、勇敢で強い信念を持つ人間でしょうか?」とつづった。また、「私は、この残虐行為によって苦しめられた人々の人生が、恐怖で打ちのめさせられるのではなく、深い希望によって立ち直るように祈っています」とコメント。「どうか十字架につけられ、よみがえられたお方がこの闇の中に光を照らし、平和をもたらしてくださいますように」と続けた。
ホーリー・トリニティ・ブロンプトン教会(ロンドン)のニッキー・ガンベル牧師は、聖書の言葉を引用してツイッターに次のように投稿した。
「悪の深さによって恐怖し、ショックを受け、深く悲しんでいます。『悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい』(ローマ12:21)」