キリスト教会のツイッターアカウントとしては、異例の2万以上のフォロワー数を獲得している上馬キリスト教会(東京都世田谷区、渡辺俊彦牧師)。同教会のユニークなつぶやきを1日から31日までの日めくりカレンダーにしようとするプロジェクトが立ち上がった。企画しているキリスト新聞社では、クラウドファウンディングを募っている。締め切りはイースターまでの残り3日間。現在までに65パーセントを達成している。
今回、カレンダーになる同教会のツイッターには、ネットユーザーに人気の、クスッと笑える「大喜利」などに挑戦しながら、伝道も忘れない絶妙な親しみやすいつぶやきが載せられ、膨大なフォロワー数を生み出している。ツイッターでは、このアカウントの目的を次のように伝えている。
「このアカウントは福音を伝えることを目的に今後も全力で走っていきます。この担当2人が神様にいただいた賜物は『ふざける』ことでした。神様に与えられた使命を果たすべく、『全力でふざけて』いく所存です。実は礼拝はわりと真面目なので、興味があれば気軽に来てください」
最近のツイートでは、「アーメン=まことに=それな」とつぶやくと、教会になじみのない人からは、「知らなかった」「まじないの言葉だと思った」などの反応があった。また「♯あなたの人生を適当にまとめる」といったテーマに、「世界が泣いた大ベストセラー 衝撃の誕生から、まさかの裏切りまで。先の読めない展開は、全世界の心をわしづかみに。3日目の朝、あなたは伝説の目撃者となる」と聖書のことを紹介している。
「中の人」こと同アカウントの管理人の1人で、同教会の信徒、横坂剛比古(たけひこ)さん(38)に話を聞いた。
「始めた当初は、携帯で撮った写真を載せたり、あまり特徴のあるアカウントではなかったと思います。ところが、『Twitter大喜利』の中で、『#違法ではないが一部不適切』といったテーマが出たときに、イエス様の絵と共に『イエス、高須クリニック』とつぶやくと、それを高須院長がフォローしてくださったのです。そこから、じわじわとフォロワー数が伸びてきた感じです。はっきりとは分かりませんが、感覚では8割近くがノンクリスチャンのフォロワーだと思います」
このツイッターが徐々に注目され始めた頃、教会内外からは「ふざけすぎだ!」「イエス様を冒瀆(ぼうとく)する気か!」「教会が『ふざけた』場だと思われる」など、さまざまな手厳しい意見もあった。
しかし最近では、ツイッターがきっかけで、毎週のように新来会者が同教会を訪れるようになっているという。
これまでもキリスト新聞社では、6作のアナログゲームを開発するなど、斬新かつユニークな方法で伝道グッズを販売してきた。その企画者であるキリスト新聞社の松谷信司さんは言う。
「より多くの方々に聖書の面白さ、奥深さを伝えたいとの願いによるプロジェクトです。ノンクリスチャンも巻き込んで、達成した暁には一緒にイースターをお祝いできれば」
キリスト新聞は昨年末に「中の人」へのインタビューを掲載。翌年のカレンダー販売シーズンと重なり、毎年、話題になる元有名テニスプレーヤーや芸人の名言を集めた日めくりカレンダーにヒントを得て、「毎日かみうま(仮)」を出さないかと松谷さんが打診。その返事には、横坂さんの熱い思いがつづってあった。
「ツイッターはツイッターに登録している人しか基本的には見られないわけです。もっとたくさんの人にこの『好き勝手な伝道』を伝えたい! ツイッターをやっていない人、さらにはインターネット自体をやっていない人にも、この『キリスト教は面白い!』を伝えたい!」
楽しくて、面白いが「ブレない伝道」。「ツイッターから教会へ」「日めくりカレンダーから教会へ」。こんな時代がすでに来ているのかもしれない。プロジェクトの概要はこちら。最新リポートはこちら。