ある日、私たちが使っている椅子の1つが困ったことになりました。背もたれが壊れてしまったのです。日曜大工で直せるような壊れ方ではありませんでした。どうしても直したかったので、店に電話をしました。「椅子を持って来てくだされば、修理しますよ」とのことでしたが、その頃は家には車がありませんでした。
どのようにして椅子を持って行こうかしら、と考えていましたが、名案が浮かびました。椅子の足の1つ1つにローラースケートを履かせ、店まで押していったらどうでしょうか。 良いお天気でしたから、それができたら楽しいかもしれませんね。でも店までは、ずうっと上り坂なので、到底無理です。
もちろん実際には、私はそのようなことはしませんでした。大の大人が、ローラースケートを履かせた椅子を押しながら持っていくようなことはできません。そのような姿を見たら、人はどう思うでしょう。
しかし、ここで周りの人の目をどうして気にしなければならないのでしょうか。クリスチャンとして、周りの人々の気持ちを考えるのは、とりわけ重要です。私たちの行いがキリスト者としての証しとなり、人々に影響を与えているからです。言葉だけでなく行いも大切なのです。
私たち主婦であっても、忙しい生活の中で、キリスト者らしい歩みをしているかどうか、人に見られています。自分では気が付かない小さな行いが、キリストの証しになっているか否かを試されているのです。
これはまた、キャリア・ウーマンや社会で働いている人たちにも言えます。彼らは、聖書の教えとはほど遠い行いをしている人たちと、肩を並べて一緒に働いています。そのような生活の中で、キリストの香りを放っているかどうかを試されています。
郵便屋さんへのほほ笑み。近所に住む不機嫌な人への優しい応対、喜んで他の人々を優先する配慮。このような行いは、知らん顔をしたり、批判したり、信心家ぶった態度よりも、はるかに良い影響を周りの人に与えます。
周りの人々が私たちをどのように見ているか、常に気を付けたいものです。見られている自分のためばかりでなく、私たちの中に住んでいらっしゃる主のためにも。
人々があなたを見たら、イエス様のことを思い起こすでしょうか。人々が私を見たら、イエス様を思い起こすでしょうか。
「あなたがたのすることは、ことばによると行いによるとを問わず、すべて主イエスの名によってなし、・・・」(コロサイ3:17)
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【書籍紹介】
ミュリエル・ハンソン著『蜜と塩―聖書が生きる生活エッセイ』
読んでみて!
一人でも多くの方に読んでいただきたいエッセイです。聖書を読んだ経験が有る、無しにかかわらず、著者ファミリーの普段着の生活から「私もそのような思い出がある」と、読者が親しみを抱くエッセイです。どなたが読んでも勉強になります。きっと人生の成長を経験するでしょう。視野の広がりは確実です。是非、読んでみてください。
一つは、神を信じている者が確信を持って生きる姿をやさしく、ごく当たり前のこととして示しているからです。著者は、日本宣教のため若き日に、情熱を燃やしながら来日しました。思わぬ事故のためにアメリカへ帰らなければなりませんでしたが、生涯を通して神への信頼は揺るぎませんでした。
もう一つは、日常の中に働いている聖霊のお導きの素晴らしさを悟ることができるからです。私たちの日常生活が神様のご意志のうちに在ると知ることは、安心と平安を与えるものです。
さらに、著者のキリスト者生活のエピソードを通じて、心が温まるものを感じます。私たちの信仰生活に慰めと励ましが与えられます。信仰が引き上げられて、成長を目指していく姿勢に変えられていく自分を発見するでしょう。
長く深く味わうために、急がずに、一日一章ずつでもゆっくりと読んでみてはいかがでしょうか。お薦めいたします。
ハンソン夫妻の長い友 神学博士 堀内顕
ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。
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