北星学園大学を運営する北星学園(札幌市厚別区)は27日、森林の適切な管理と保護、育成を図るため、札幌市森林組合との間で森林経営委託契約を締結した。今後は、札幌市森林組合と連携して、同学園が札幌市内の盤渓地区に所有する森林について、包括的な整備を計画していくことになる。
同学園は、盤渓地区に現在16ヘクタール強に及ぶ森林を所有するが、そのほとんどが手つかずの状態に置かれている。今回、林野庁が定める森林経営計画制度を活用し、札幌市森林組合の協力のもと、長期的な森林の整備に取り掛かかることになる。まずは森林の現況把握を行い、間伐などの整備を進めていく予定だ。
また、森林経営計画制度では、森林の所有者あるいは経営の委託者が森林の育成と保護について森林経営計画書を作成することで、税の控除や特例、融資の優遇、間伐の補助金支援などの支援措置を受けられることになっている。委託契約を結んだことで、今後必要となる間伐の補助金申請などの事務についても、札幌市森林組合に委任が可能となる。
これまでも北星学園は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」による特定事業者として、継続して年平均1パーセント以上のエネルギー削減を目標とし、省エネルギー・節電対策に取り組んできた。同学園では今後も、森林の育成も含めて地球環境保護に取り組んでいく方針だ。
北星学園の歴史は、1887年に米国の女性宣教師サラ・C・スミスが女学校を開設したことにまでさかのぼる。北星学園大学開学50周年に当たる2012年には、プロテスタントの信仰と伝統に立った北星学園の歴史的ルーツへの理解を深めるため、創立者たちの遺した文書の原本をホームページで公開した。