By Dr. K. Kinoshita(木下和好)
YouCanSpeak 開発者・同時通訳者
元NHK TV・ラジオ 英語教授
<言葉を担当する脳の2つの部分>
世界のどの言語であれ、人が言葉を話すときに脳の2つの部分、すなわち Broca’s Area と Wernicke’s Area が使われる。Broca’s Area はスピーキングを担当するので「スピーキング脳」と呼ぶこともできる。一方、Wernicke’s Area はリスニングを担当するので「リスニング脳」と呼ぶこともできる。
これら2つの脳の機能と役割を正しく理解していないと、効果的な英会話の学習法とそうでない学習法の識別が難しくなり、どれだけ時間とお金をかけて学んでも、空回転するだけで、飛躍的な上達は望めない。
一方、これらの脳の機能と役割が分かると、正しい学習法が見えてくるので、効果的な学びをすることができ、比較的短い時間でスピーキング力がアップし、またリスニング力も身に付く。
<スピーキング脳の働き>
人が言葉を話すとき、言いたいことを思い浮かべた瞬間にそれを音声化するが、実は瞬間的なこととはいえ、話すという行為には一連のプロセスがある。人の思い(イメージ・しゃべりたい内容)は Creative Area(新しいことを思い描く脳の部分)により創り出されるが、それを人に伝えるための変換作業を実行するのがスピーキング脳である。
スピーキング脳は「思い・言いたい内容」をその思考パターンのルールに従って「音の並び(単語・語順etc)」に変換し、それを横隔膜・声帯・舌・唇・下顎etcを動かすための運動神経パルスに変換する。スピーキング脳で創り出された運動神経パルスは、即座に横隔膜・声帯・舌・唇・下顎などを動かし、それが空気振動(音声波形)となり、聞き手の耳に届く。これがスピーキングのプロセスである。
Creative Area が思い(イメージ)を創り出す
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スピーキング脳 がイメージを音の並び(単語・語順etc)に変換
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スピーキング脳 が音の並びを運動神経パルスに変換
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横隔膜・声帯・舌・唇・下顎etcの動きが運動神経パルスを空気振動(音声波形)に変換
<スピーキング脳の活性化>
有限の思考パターン(全ての言語に共通)と有限の英語音声パターンが結合することによりスピーキング脳が活性化され、英語がスラスラ出てくるようになる。この練習は複雑なものではなく、また歯を食いしばるような努力が要求されるものでもない。人の思考パターンはわずか175の要素から成り立っており、それら全てが英語音声パターンに置き換えることが可能である。
私はスピーキング脳を活性化させるため、すなわち日本語要素しかインプットされていない脳に英語要素を加えるために YouCanSpeak という英語スピーキング教材(比較的単純で、誰でもチャレンジすることができる)を開発したが、真面目に学習していただくと、比較的短い時間に英語スピーキング脳が整い、スピーキング力が飛躍的に伸びることが実証されている。
スピーキング脳(Broca’s Area)の活性化
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スピーキング脳が整う
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英語がスラスラ出てくる
<スピーキング脳 が活性化されない学習法に要注意>
スピーキング脳は「思考パターン」と「英語音声パターン」の結合作業により活性化されるので、この結合作業が抜けている学び方に注意する必要がある。
ネイティブが話す英語をひたすら聞き、分かったときにだけ反応する学習を繰り返すだけでは、英語は上達しない。なぜならそのような学び方には、思考パターンと英語音声パターンの結合作業が欠如しているからだ。またネイティブが話す英語をまねして繰り返すことはとても重要だが、まねしているだけでは不十分だ。まねして繰り返すプロセスは、思考パターンと英語音声パターンの結合作業とは異なるからだ。ここに英語学習の落とし穴が潜んでいる。
常に言いたい内容を明確にイメージし、それにふさわしい英語音声パターンを選び音声化する練習を繰り返さない限り、人がうらやむような英語環境の中に住んでいても、英語力はさほど伸びていかない。逆に英語環境が理想的でなくても、思考パターンと英語音声パターンの結合作業を続けることができれば、英語力はドンドン伸びていき、「あなたは日系アメリカ人ですか?」と質問されるほどのレベルに到達する可能性もある。(続きを読む>>)
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