米国の福音主義キリスト教団体への献金額が増加し続けている。福音主義財務責任協議会(ECFA)が発表した最新の献金状況年次報告書によると、米国内の福音主義諸団体に現金でささげられた献金額は、2014年は122億ドル(約1兆4300億円)だったが、15年は2・2パーセント増え、125億ドル(約1兆4700億円)となった。
ECFAには、福音主義のさまざまな教会、団体が加盟しており、報告書は加盟する1816団体のデータを集めて作成された。それによると、15年には計160億ドル(約1兆8800億円)の献金があり、そのうち125億ドル(約1兆4700億円)が現金、35億ドル(約4100億円)が現金以外によるものだった。クレジットカードなど現金以外による献金は、前年比で7・5パーセント増加した。
ECFAのダン・バスビー会長兼最高責任者(CEO)は声明で、「新規の献金者も長期献金者も、構成団体の尊い働きを忠実に支援し続けてくださっています」とコメント。「皆さんが気前よくささげてくださっているのを見て励まされており、年ごとに献金状況が変化するのも興味深いと思います」と語った。
献金の用途別では、短期宣教のためが25・2パーセント、キャンプやカンファレンスのためが21・2パーセント、麻薬・アルコール関連の活動のためが13・1パーセント、孤児のケアのためが12・4パーセント、地域開発のためが11・7パーセント、刑務所関連の活動のためが11・7パーセント、それぞれ増加した。
米国の寄付に関する調査を行っているギビングUSA財団が6月に発表した報告書によると、米国では宗教団体への寄付が最近、2・7パーセント増加しており、ECFAは、福音主義団体への献金の増加もこうした状況を反映していると指摘した。
同財団の報告書によると、個人や財団、企業からの寄付、また遺贈による寄付の合計は、15年に3732億5千万ドル(約43兆8千億円)に達し、2年連続で記録を更新した。このうち、個人による寄付は2645億8千万ドル(約31兆1千億円)、財団による寄付は584億6千万ドル(約6兆8千億円)、慈善事業への遺贈が317億6千万ドル(約3兆7千億円)、企業による寄付は184億5千万ドル(約2兆2千億円)だった。
「2年間のスパンで見てみると、14年と15年の合計成長率は、インフレ調整後の貨幣価値で計算した場合、10・1パーセントとなり、2桁台に達します」と、同財団のW・キース・カーチス会長は報告書の中で述べている。
カーチス会長はまた、「しかし、これらの調査結果は、数字以上の意味を持っており、米国の精神の象徴でもあります。人々は心から社会に貢献したいと思っており、これまでになく高いレベルで自分が重要だと思う活動を支援しているのです」と語った。