【CJC】江戸時代のキリシタン禁制についての史料に関するバチカン(ローマ教皇庁)と日本の研究グループによるワークショップが5、6の両日、バチカン図書館などで開かれ、文書の保存や修復の取り組みが紹介された。和紙を使った修復技術の実演もあり、欧州の専門家らが参加した。共同通信社が報じた。
史料は、1932~50年に大分県を拠点に活動したイタリア出身の宣教師マリオ・マレガ神父(サレジオ会)が、同県臼杵市などで集めたもの。1万点以上がバチカン図書館で2011年に発見された。
これを機会に、史料の調査や、目録化とデジタルデータ化による保存のために、準備段階を経て13年11月、バチカン図書館と日本の大学共同利用機関法人「人間文化研究機構」(総括責任者=国文学研究資料館)が契約し、共同研究「マレガ・プロジェクト」が正式に発足した。
発見された文書群は、大半が新出のもので、未整理状態にある。これらを世界に向けて公開するため、マレガ・プロジェクトは内外の研究機関・関係者の協力を得て、目録作成や保存修復、デジタル画像作成、データベース作成・公開などの基本事業と同時に、史料の学術的価値や可能性を情報発信することを目指している。