8日に発生したパキスタンの病院に対する自爆攻撃で、少なくとも70人が死亡した。パキスタンのカトリック教会はこの攻撃を「非人道的行為」と非難している。
パキスタン・カトリック司教協議会の一機関である、正義と平和国家委員会(NCJP)は、この自爆攻撃を「悲惨な殺人」だと強く非難する声明を発表した。声明でNCJPは、「無実の人々を殺害することは非人道的行為であり、全く受け入れることができません」と述べている。
自爆攻撃があったのは、パキスタン南西部バルチスタン州の州都クエッタにある公立病院。医療スタッフによると、犠牲者のうち約60人が、8日に法廷へ行く途中で銃撃犯に暗殺された州弁護士協会会長のビラル・アンワル・カシ氏の死を悼むために病院に集まっていた弁護士たちであった。
2つのイスラム過激派武装組織、「イスラム国」(IS)とパキスタン・タリバン運動(TTP)の分派「ジャマト・ウル・アハラル」が、この自爆攻撃を行ったとする犯行声明を出した。しかし、ロイター通信によると、専門家はISの主張が疑わしいと述べている。
世界教会協議会(WCC)の国際問題教会委員会(CCIA)局長、ピーター・プローブ氏は8日、祈りをささげ、犠牲者の家族に対して哀悼の意を伝えた。
「カシ氏の死を悼むために病院に集まった人々を故意に攻撃したことは、それを計画し、行った者たちの残忍さと道徳の破綻を明白にしています」と、プローブ氏は述べた。
「この残虐行為は、これまでに行われてきた非常に多くの残酷な事件と同じように、信仰と善意、また基本的な良識を備えた全ての人々によるテロ集団への非難と、犠牲者の家族、また傷ついた地域社会、そしてパキスタンの国と人々へ対する祈りとサポートを必要としています」
英国国教会もまた、パキスタンの平和のための祈りをささげた。
「クエッタのための祈り。憐(あわ)れみに富みたもう神、全ての者の父よ、私たちは世界の非常に多くの場所で行われている暴力に震え上がっております。誰も安全ではないと思われますし、ある者たちは恐怖におびえております。人々を殺し、傷つける者の手を阻止してください。憎しみに満ちた心を変えてください。その代わりに、あなたの力強い平和の聖霊をお与えください――私たちの理解力を超え、この生を変える平和を。私たちの主イエス・キリストを通して、アーメン」
パキスタン人の弁護士たちは9日、この自爆攻撃を受け、弁護士に対する保護を強化するよう政府に促す全国的なストライキを開始した。