パキスタンのキリスト教徒たちが、パンジャブ州にあるゴジュラで賛美歌を歌う。ゴジュラはキリスト教徒居住地の近くにある。2009年、1人のイスラム教徒の暴徒による襲撃事件が起きた。キリスト教徒の1家族7人はじめ10人が殺され、数十の家々や四つの教会が放火された。
この記憶を癒やす異教徒間の協力が始まっている。異教徒同士の対立があまりにも頻繁に起こる国家で、イスラム教徒とキリスト教徒が一緒になってキリスト教会の会堂を建築しているのだ。
パキスタン・デイリーによれば、パキスタンのゴジュラのイスラム教徒の村人たちが、近くのカルサバード村のキリスト教徒たちに加わって、去年のモンスーン・シーズンに洪水で流された教会の再建をしている。
商店を営むイスラム教徒のディラワー・フセインさんは、建設される教会に対して寄付金を拠出している。彼は、キリスト教会が、イスラム教徒の信じている神、アッラーの家であり、支援することが宗教の融和を促進することになると自負しているのだ。
その地方の事業家や農民たちも同様に協力を惜しまない。パンジャブ州ファイサラーバード市クシュプールの聖フィデリス教会の助任司祭、アフタブ・ジェームズ・パウロ氏は、カルサバードを含む56の村々を訪問牧会している。「これが生きるということです。一握りの暴徒たちがした行為で一つの宗教の信徒たちが責められるべきではないのです」。何よりも大事なのは愛を伝えることだと述べている。
カトリックの祈祷室もイスラム教徒たちの援助で、2005年に建設された。別のイスラム教徒は、「私たちのモスクは昔からここにありますが、キリスト教徒たちもまた自分たちの教会で礼拝する権利があるはずです」とパキスタン・デイリーの記者に語った。
その村には教会が破壊されて以来、キリスト教徒が礼拝する場所がなかった。居住しているのはほとんどがイスラム教徒たちだが、そこには八つのキリスト教会が存在している。
キリスト教徒の村人、ファリアル・マシさんは、「私の知る限り、私たちはずっと一緒に暮らしてきました。お互いの幸せや悲しみを共有し、イスラム教のお祭りにも参加します。苦しいときは、イスラムの人たちも私たちの隣人として傍らにいてくれると確信しています」と話した。
アナドル通信社によれば、イスラム教徒たちは、教会堂建築を支援する考えをイースター後に打ち出したのだという。それ以前は、キリスト教徒たちはお互いの家庭で礼拝をしなければならなかった。
ジェームズ神父は、「ゴジュラのイスラム教住民は贈り物として私たちに教会堂を建築することを申し出てくれた。私たちはイスラム教徒の方々の素晴らしい好意に感謝しており、本当にうれしく思う」と語った。
パキスタンでは、キリスト教徒は宗教少数者だ。全人口1億8千万のうち3パーセントの540万を占めるに過ぎない。そのうち6割がプロテスタント、残りがカトリックで、多くは教育や看護などの専門職に従事している。