長崎の原爆で被爆し、医師として被爆者医療に尽力したカトリック信徒の永井隆(1908~1951)の精神を、未来を担う若い世代に伝えようと、出身地の島根県雲南市三刀屋町が毎年募集している「第26回永井隆平和賞」の募集が今年も始まっている。雲南市、雲南市教育委員会が主催、文部科学省、島根県、島根県教育委員会、朝日新聞松江総局、NHK松江放送局、共同通信社松江支局、山陰中央新報社などが後援。
永井隆は1908年、島根県松江市生まれ。父の医院開業のため、幼少時代に飯石郡飯石村(現在の雲南市三刀屋町)に移り住み、幼少時代を過ごした。松江中学、松江高校を経て、長崎医科大学(現在の長崎大学医学部)に入学、放射線医学を学ぶなか、1934年に浦上天主堂でカトリックの洗礼を受けた。
その後、白血病に侵され、1945年8月9日の原爆では被爆、原爆症に侵されながらも浦上天主堂の近くに「己の如く人を愛せよ」という言葉からとった「如己堂」という庵に住み、被爆者治療に関わりながら、『長崎の鐘』や『この子を残して』などの小説を通して世界平和の願いを訴え続けた。1951年、43歳で亡くなった。
「永井隆平和賞」では、「愛」と「平和」に対する考えやメッセージを表現した作文や小論文を募集している。対象となるのは、全国の小学生・中学生・高校生および一般。募集期間は7月1日から29日まで(当日必着)。募集要項はこちら。昨年の受賞作品はこちら。