人間関係のトラブル、体の病気、精神的な異常・・・。それらすべての背後にある霊的な問題について考え、問題を解決する力を身につける公開講座が11、12日の2日間、カーネル神学校(奥山実学長、東京都新宿区)で開かれた。全日本リバイバル・ミッション実行委員の滝元順牧師の講演に、「イエスの弟子」を志す同大の学生や一般信徒ら約50人は、メモを取るなどして熱心に耳を傾けていた。
カーネル神学校は、米カリフォルニア州政府認定のカーネル大学より学位(学士、修士)、さらに博士号を東京で取得可能な、新宿区にある神学校である。
講座は同校が毎月主催する連続講座で、滝元氏の講演は昨年11月に続き2回目。滝元氏は、日本の神社や仏教の歴史を紹介しながら、エレミヤ書3章1〜3節で神の嘆いた状況が「日本にもある」と指摘。現代の日本に蔓延している偶像礼拝の罪の背後に、神の働きを阻止しようとする「悪霊の策略」があることを説明した。
マルコの福音書4章の「種を蒔く人」のたとえでイエスは、「みことばが道ばたに蒔かれるとは、こういう人たちのことです――みことばを聞くと、すぐサタンが来て、彼らに蒔かれたみことばを持ち去ってしまうのです」(同15節)と言われた。滝元氏は、福音を伝えるときにどれだけ強くサタンの力が働いているかを説明し、日本の宣教の現場においても、「種を蒔く苗床がどのようになっているのか、撒くとすぐに(サタンに)持っていかれるという現実があるのではないか」と指摘。サタンの策略を見抜き、「良い地を用意する」ことに目を向ける必要があると説いた。
マルコの福音書5章でイエスが追い出した悪霊は、「自分たちをこの地方から追い出さないでください」とイエスに懇願した(同10節)。滝元氏は、「悪魔は地域に対して策略を持っている」と語り、教会が個人の救いだけでなく、家族や地域の救いに注目する必要があることを強調した。
使徒パウロは、アテネの町が偶像でいっぱいなのを見て、心に憤りを感じた(使徒17:16)。滝元氏は、これがアテネの人々に対してではなく偶像の背後にいた悪霊への憤りであったと語り、日本のクリスチャンが「日本、世界を覆う暗闇の力を理解して、とりなして祈る者とならなければ」と訴えた。
滝元氏は、「日本人は先祖代々の神をおろそかにできない。そう簡単にクリスチャンにはならない」と日本の伝道の難しさを語り、「もし何千年も自分の味方だと思っていたものが敵だと知ったなら、真の味方のもとに戻ってくる」と敵である悪霊について正しく教える必要性を語った。
「神道にも悪霊の策略がある」と滝元氏は語る。滝元氏によると、神社の起源は、小高い場所にある「巨岩」や「山」自体を「神が降りられる場所」とし、そこで交霊術の儀式を行ったことに行き着く。その後、時代の流れで山に登らなくてもその岩や山を拝めるように臨時の祭場が作られるようになり、次第に現在の神社の形態が整えられていった。初めと比べ、儀式の形式が変化してはいるものの、今も神が宿る「ご神体」として岩や山を拝んでいる事実に変わりはない。滝元氏は、「本物の救いの岩であるイエスの真理の道が閉ざされる。心も冷たくなる」と神道の問題を指摘し、みことばが良い地に蒔かれない原因を「しっかりと見据えて、そこにイエスを宣言しなければならない」と語った。
滝元氏が牧会する愛知県・新城教会では、神道や占いの背後に働く悪霊に焦点を当て、家庭内の様々な問題で相談に訪れる地域の人々に聖書の教えを薦めた。すると、教会で相談を受けた人々の問題が次々と解決され、今ではそのような人々が同じ問題で悩む地域の人々を教会へと導いている。滝元氏は、その理由について「(相談に来る人々の心の)岩が砕かれた。何が敵で何が味方かがわかった。いくら岩地であっても、道ばたであっても、良い地に地盤は変わる」と語った。
滝元氏は、「わたしが神の御霊によって悪霊どもを追い出しているのなら、もう神の国はあなたがたのところに来ているのです」(マタイ12:28)の箇所を強調し、宣教の現場で悪霊の策略を知り、イエスの十字架の血潮によってそれに立ち向かう「霊的戦い」の重要性を訴えた。
夜の集会では、参加者一人ひとりが滝元氏より祈りを受け、聖霊の強い働きかけの中で床に倒れる人々もおり、解放の強い集会となった。最後は全員が立ち上がり、イエス・キリストの御名によって、偶像礼拝による悪霊との契約からの解放を宣言し、またそれぞれの家族、地域がサタンの束縛から解放されるように祈った。
今後の開講予定などの詳細については、カーネル神学校問い合わせ窓口(電話:03・3302・1860、Eメール:[email protected]、担当:森)まで。