信州からこんにちは!小さな絵本屋ノエルです。
何年か前の出来事です。
美容院のクロークで携帯が鳴っている。私は洗髪中。それでも気になって取っていただき、出てみると、Rさん(米国人宣教師)がすぐ警察に来てほしいって・・・。私まだ髪濡れているし・・・ブローがまだだよ~。
とにかく急いで整えてもらって、駆けつける。Rさんの友人Hさんが、アパートで亡くなっていたとのこと。しかも1カ月近くたって見つけたという。なんで私が・・・と思ったけど、Hさんのご両親、兄弟と対面した。(皆さん他県から駆けつけたそう)
とにかく葬儀を早く済ませたいというだけ。Hさんは独身で、ご両親、兄弟とは疎遠だった。突然初めて日本で葬儀をしなければならなくなったR宣教師は、どうしたらいいのか分らずに、とりあえず私を呼んだのでしょう。(言葉の流ちょうな娘2人は運悪く?!ちょうど米国へ行っていた)
小さな古民家を借りた場所が教会になっており、そこで葬儀を執り行うことになりました。仕事上、経験豊富?!な私は、すぐ葬儀屋へ電話して係りに来てもらうも、あらためて専門家ってすごいと思う。もうテキパキ事を進めます。
悲しかったことは、家族疎遠の訳は定かでないですが、書類の経費でさえ誰もすぐ出したがらなかったことです。葬儀社に、とにかく一番安い方でいいと相談して決めていました。
でも宣教師のRさんが素敵な花を精いっぱい用意してくれたことや、Rさんの奥さんが思いやりにあふれた準備をしていたことは、Hさん、さぞかしうれしかったことでしょう。
Rさんはポツリと「知り合ったとき、彼は腰まで髪が伸びていて浮浪者みたいだった。そして、教会へ誘って、時々ふらっと遊びに来てくれたけど、この頃来ないなぁと思ってアパートに行ったら、玄関で倒れていた・・・」
人を信じることや愛することが苦手だったHさん・・・。だけど、神様を信じて愛していたと思います。悩める高校生を教会へ導いていたとお聞きしました。
棺桶や葬儀の値段で人の価値は測れません。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」(聖書より)
そう呼びかけてくださるから。どうか安らかに・・・。
『マザー・テレサ 愛のことば』(いもとようこ絵、女子パウロ会)
「人は一切れのパンではなく
愛に、小さなほほ笑みに飢えているのです。
だれからも受け入れられず
だれからも愛されず
必要とされないという悲しみ
これこそほんとうの飢えなのです。
愛を与え
愛を受けることを知らない人は
貧しい人のなかでも もっとも貧しい人です」(本の中より抜粋)
あきとふゆ(左)
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