昨年9月の鬼怒川決壊などによる大規模水害で被災し復興途上の常総市で5日、常総復興サッカー大会(主催:常総市サッカー協会主催、後援:常総市)が吉野サンビレッジ・マル英サッカー場(茨城県常総市)を会場に開催された。子どもたちや保護者ら約300人が集まり、スポーツを通して復興への思いを一つにした。
同大会が計画されたのは昨年11月。常総市を支援する日本国際飢餓対策機構(JIFH)を通してエスペランサ・スポーツ・クラブによる復興支援の話があり、「常総復興支援を支える会」および茨城NPOセンター・コモンズといった各団体の協力を経て、常総市サッカー協会が主催することになった。
開会式には、常総市長、常総市選出の県議会議員、常総市体育協会会長、JIFH特命大使のほか、同市出身でいばらき大使も務める女優の羽田美智子さんが来賓として出席。午前のサッカー教室では、鹿島アントラーズで活躍した元日本代表の中田浩二さんや、エスペランサのコーチでもある月井ミッシェルさんらが直接指導に当たった。小学生や中学生など200人以上の子どもたちが参加し、時にはマンツーマンでプロの指導を受けたり、一緒に試合をしたりしながら、サッカーを楽しんだ。
午後からは、エスペランサと常総市の中学1年生による選抜チームおよびブラジル人の子どもたちで結成された「クラブjuntos」による親善試合が行われた。エスペランサは、日本福音キリスト教会連合本郷台キリスト教会(横浜市栄区)をバックグランドに2003年からスタートしたサッカークラブで、神奈川県の強豪として知られている。
常総市のサッカーチームは、水害のあと練習もできず、決まっていた試合もキャンセルせざるを得ない状態だった。それが今回「クラブjuntos」と共に、エスペランサという強豪チームを相手に戦いを挑むことになった。
地元のキリスト教会や地域のボランティア、地元商店などがサポートし、屋台を出すなどして大会を盛り上げた。
大会を企画した「常総復興を支える会」会長で浦和福音自由教会(埼玉県さいたま市)会員の大上仁(おおかみ・ひとし)さんは、天候にも恵まれ、予想以上に人が集まってくれたことを喜び、「何よりも被災した子どもたちと保護者の皆様に喜んでいただけたのが感謝です。来年も実施してほしいとのお声を頂いたので、またご協力いただければ幸いです」と述べた。