記録的な集中豪雨による鬼怒川の堤防決壊から2カ月余り。茨城県常総市では、「これから寒い冬を迎える前に助けてほしい」と被災者からの切実な声が上がっている。地元の救援組織と協力する日本国際飢餓対策機構(JIFH)は、被災者支援のための緊急募金を呼び掛けている。
広範囲が浸水した茨城県常総市では、6千棟以上の住宅が被害を受け、そのうち約2千棟が半壊、約50棟が全壊した。今も約250人が避難生活を送る。被災者の間では格差も広がっている。家のリフォームを決心し、新たな生活を始める人がいる一方で、先の見通しが立たず、いまだ決断できない人も。さらには、情報格差により、助けを求める声も上げることができず、支援の手が遅れてしまうケースも出ている。
避難所にいる被災者の中には、行き場のない独居高齢者や、生活保護を受けている生活困窮者も多い。避難所閉所まで残る人は、自動的に筑波の公営マンションへの移住となるが、地元から電車で30分の所にあり、高齢者が新たな土地で生活を再開することが大きなストレスになるのではないかとの不安もある。
社会福祉協議会のボランティアセンターは、11月15日をもって県外ボランティアの受け付けを終了した。今後は登録制にし、市内のボランティアを中心に活動する方針だ。だが、田畑には大量のがれきがいまだ散乱しており、ボランティアが足りないとの声も聞こえてくる。
JIFHは、被災者と現地で支援活動を行う人々からの強い要請を受け、短期集中のボランティアチームを募集。23日から25日まで現地に派遣する予定だ。
緊急募金の受け付けは11月末日まで。詳細は、JIFHのウェブサイト。