たくさんの教派・教会の中で、どれを選んだらよいのか。
端的にいえば、その教派・教会が聖書にあることを語り、実践しているかどうかを判断し、あとは自分の感性に合っているか否かで選んだらよいでしょう。
しかし、初心者の時は、聖書をまだ十分に読めていないでしょうから、この判断ができません。そのような時は、しばらくその教派・教会で聖書を主体的に学び、成長を待ちましょう。
それから、じっくりと判断して、例えば、感性が極端に合わないなど、どうしても自分に合わないと思えば、他の教派・教会に移ることもあり得るでしょう。(移るときは、それなりのあいさつをしたほうがいいでしょう)
キリスト教は親不孝な宗教だ、日本人にはなじまない。
キリスト教の教典のうち旧約聖書・出エジプト記20章12節で示される十戒では、その第五戒として「あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が与えようとしておられる地で、あなたの齢が長くなるためである」、申命記5章16節ではこれに続いて「(あなたが)しあわせになるためである」と念押しされています。つまり、ご褒美付きで推奨しているのです。
これに対して、日本人の多くが門徒になっている仏教の教えには五戒というものがありますが、それは、不殺生戒(ふせっしょうかい)、不偸盗戒(ふちゅうとうかい)、不邪婬戒(ふじゃいんかい)、不妄語戒(ふもうごかい)、不飲酒戒(ふおんじゅかい)からなり、親不孝戒というものが見当たりません。つまり、仏教は親孝行というものを強調していないわけです。ここには大きな差があります。
なお、儒教の教えには、忠・孝というものがあります。“忠”は主君(戦前は天皇)のために尽くすこと、“孝”は親のために尽くすということです。忠と孝が両立できないときは、忠を優先すべきだと教えられました。しかし、儒教の中心は忠・孝ではなく、“仁”であり、その“仁”とは、他に対するいたわりの心だとされています。
イエスの教えに、「わたし(キリストの神)よりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません」、つまり、神に対する忠と親に対する孝とが両立できないときには、神への愛・忠を優先しなさい、と求めているのです。
加えて、「あなたの隣人を愛せよ」と教え、しかも最重要の教えだとされています。この「あなたの隣人」には「あなたの父・母」が第一に含まれることは言うまでもありません。
このように、聖書の教えに立つキリスト教は親孝行な宗教であって、日本人にも世界のどの国の人にも有用な宗教です。
キリスト教は、ひと言で定義すると何なのか。
- キリスト教とは、イエス・キリストを自分の救い主と信じることです。
- キリスト教とは、唯一の真(まこと)の神、すなわち、聖書で示された神を信じ、この神と共に人生を歩むことです。
- キリスト教とは神の義と愛を信じ、その中で生きることです。
- キリスト教とは、神を愛し、隣人を愛して生きることです。
- キリスト教とは、神の民となり、神の国へ行く道のことです。
どれも正しい定義です。どの側面をとるかだけの違いです。
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