22日に発生したブリュッセル連続テロ事件を受けて、イスラム教徒の自由を制限しようとの呼び掛けに対し、キリスト教徒の下院議員が反論した。
数回の爆発がベルギーの首都ブリュッセルを襲った結果、多くの人々が死亡し、さまざまな国の政治家がイスラム教徒の自由に制約をかけることを呼び掛けるようになった。過激派組織「イスラム国」(IS)は、この事件について犯行を表明した。
米国共和党の大統領選挙候補者のトップ、ドナルド・トランプ氏は、イスラム教徒に対する監視を呼び掛け、米国への全てのイスラム教徒の移民を拒否しようとの自らの提案を繰り返した。「これは米国でも起こるでしょう」と彼は警告した。
トランプ氏の最大のライバルであるテッド・クルーズ氏も、「シリアのイスラム教徒の難民数万人」を米国に受け入れるとする提案を批判した。クルーズ氏は、「イスラム教徒の隣人」をパトロールすることを呼び掛けた。
しかし、英国の多くのキリスト教徒の下院議員はそのような発言を非難し、全ての宗教に対する自由は保護されるべきだと主張した。「ブリュッセルの報復としてイスラム教徒の自由を制限するなら、他の宗教団体の自由も同様の苦しみを受けるでしょう」と労働党の信仰使節ステファン・ティムズ氏は述べた。
ティムズ氏は22日夜、同じ労働党のキリスト教徒リアム・バーンズ下院議員(バーミンガムのホッジヒル選出)、保守党のフィオナ・ブルース下院議員(コングルトン選出)と共に、議会における過激主義についてのイベントに参加し発言した。
バーンズ氏は、多様なイスラム教の教派を一つの国にしようとしているダーイシュ(アラビア語でのISの蔑称)が、イスラム教徒の思想と表現の自由をなくそうとしていると発言した。「私たちが守らなければならないことは、多元的共存と多様性です」。良心の自由についてバーンズ氏は、「私たちが一致できる土台」と述べた。
フィオナ・ブルース氏は、ブリュッセルやパリなどの事件を受け、人々が治安の保持を望むことは正しいと発言した。ブルース氏は、「困難なのは、発言の自由、表現の自由、そしてこのような残虐行為のさなかでも過度の法制化に反対する自由という、これらの権利を保障することです。私たちが人々を守るのは不可欠です」と述べ、「これが全ての州の第一の義務です。しかし、私たちが表現の自由を失えば、他の多くの権利も同じようになるでしょう。私たちはそれを守らなければなりません」と語った。