ブリュッセルのキリスト教徒は、22日午前の襲撃のニュースを受け祈っている。ブリュッセルから取材に答えたクリスチャン・センターのジョー・スザボ牧師は、教会員が襲撃に巻き込まれ、その朝、教会のスタッフたちは祈るために集まったと語った。「教会にいたこの教会の人々を、よく知っています。爆発が起きたとき、彼らはそこにいました」とスザボ氏。「感謝なことに、誰も負傷しませんでした」
教会はイースター礼拝で、事件で負傷した人や死亡した人の遺族のために特に祈るともスザボ氏は述べた。「犠牲者の方のために、また神がこの町とこの国を守ってくださるように」。福音派のキリスト教宣教団体OMベルギーは、2度の爆発が発生したブリュッセル国際空港からわずか5分のところに位置している。フィードリーダーのジャン・ヴィッセ氏は、義理の兄弟が爆発の1時間後、地下鉄のマルベック駅で電車に乗っていたと語った。
ヴィッセ氏は、22日朝にチームで祈りのミーティングを持ち、メンバーの多くが現在は赤十字を支援していると述べた。他のメンバーは、地域のスポーツ複合施設に収容された回復途上の被害者に、組織として何が実質的な支援として提供できるかを調べるために派遣された。
クリスチャン・センターは、シリアやエリトリアなどの国々から数百人が脱出してきたことを受け、ブリュッセルにおける難民危機への対応に関わっている。すでに、物議を醸す言動で有名なコラムニスト、ケイティ・ホプキンス氏は、22日朝の自爆テロの責任を難民に帰したことで激しい怒りを買った。
恥ずかしくもイスラム教徒の米国への入国禁止を呼び掛けた共和党の大統領選挙候補トップのドナルド・トランプ氏は、事件を難民の責任にしたという。22日のFOXとの電話インタビューでトランプ氏は、「私のメッセージは、私たちは賢くなったほうが良く、そして早く賢くなったほうがいいということです。私の意見では、これは始まりにすぎません。事態は徐々に悪くなりつつあります。私たちが気が緩んでいて愚かだからです。私は長い間、このことについて語ってきました。ブリュッセルを見てください。ブリュッセルは美しい町、犯罪のない美しい場所でした。今は被災した都市です。これは完全に災害です。そして、米国において私たちは非常に注意深くあらねばならず、誰の入国を許すかについてはとても、とても慎重であらねばなりません」と語った。
スザボ氏は、クリスチャン・センターはセンター内のコミュニティーの難民に仕え続けると述べた。「私たちはまだ、この町の全ての人を愛すべきだと信じています。ムスリムのためにも、クリスチャンのためにも、ユダヤ教の方のためにも祈ります。自爆テロは、神の愛を全ての人々と分かち合うという使命を実行し続けることを阻むことはできないでしょう」とスザボ氏。
教会は、公共交通機関が止まったために一部の難民へのアウトリーチを中止せざるを得なかったが、建物周辺の難民に食料を与えた。「治安状況が許せばすぐ」、ボランティアが通常通り市内の他の地域の難民センターに向かう予定だとスザボ氏は付け加えた。
ブリュッセルの教会「ザ・ウェル」の創立牧師、カールトン・ディール氏は、電子メールで取材に答え、地下鉄マルベック駅は教会のオフィスからたった1キロのところにあると述べた。「ニアミスの話で地域はあふれています。土壇場でのフライトのキャンセル、地下鉄の代わりに徒歩をその場で選んだこと、友人の友人が爆発の時に地下鉄に乗っていたが、無傷で済んだことなどです。終日サイレンが鳴っており、警察と救急の車両が必要に応えるために急行し、ヘリコプターが滞空しています」
数年前、ザ・ウェルは「Serve the City(町に仕える)」という奉仕の週を持った。現在それは大きなムーブメントとなり、世界中の100の都市で行われている。ボランティアが奉仕し続ける一つの場所は、ブリュッセルの難民センターを支援することだ。ディール氏は22日、「Serve the City」のフェイスブックに、「今後数日間、・・・この町で最も弱い立場の人と隣人の必要に深く注意しましょう。私たちの週ごとのプロジェクトに参加するか、必要のある人々を気にかけることができたニュースを共有してください」と投稿した。
「このような日には、私たちの周りの破れがよりはっきりと見えます。失われた人、失われたものを嘆き悲しみますが、全く希望のない人々のようではありません。今日の事件を、私たちの哀れみの心を深くし、力づける機会としてください」
電子メールの中でディール氏は、「私たちは今夜、通常通りホームレスの友人や難民に奉仕しますが、ボランティアの安全のため全ての活動を中止します。しかし、私たちはいかなる場合でも、ブリュッセル連続テロの原因だという目で難民を見ることはありません。私たちはできる限り早く、絶対に彼らのところに戻ります。私たちは彼らを深くケアし、私たちに対するものと同じ爆弾から逃げている人々だとして見ます」と述べた。
さらに、「もし私たちが誰かを責めるならば、難民ではなく移民に目を向け、そして私たち自身がどれだけ移民たちがベルギー社会に馴染み差別を受けないように助けてきたかをその同じ視線でもって吟味しなければなりません。モーレンベークにいるムスリム移民の3世、4世は、有意義な職につき、ヨーロッパで成功の人生を送れる可能性をほとんど見いだせないまま、いまだよそ者で阻害されていると感じているという報告があります。急進的なイスラム指導者が、彼らを格好の餌食にしています。私たちはそこから始めなければなりません。彼らの隣人として生活しましょう。彼らの友人となりましょう。彼らの話を聞きましょう。痛みを感じましょう。失われた人、物のためにともに嘆き悲しみ、私たちの永遠の希望である復活の主イエスを見ましょう。この困難の日々に当たり、イエスが私たちを、ブリュッセルの人々がその生ける水を飲むための泉としてくださいますよう、私たちと共に祈ってください」とディール氏。「私たちは信仰と宣教の共同体です。私たちはこのような時ですら愛し、仕え、信じます」
過激派組織「イスラム国」(IS)は、22日の連続テロの犯行を表明した。 IS系のアマク通信は、「ISの戦士は22日、ベルギーの首都ブリュッセルの中心にある空港と地下鉄駅を標的とし、自爆ベルトと装置による連続自爆テロを遂行した」と報じた。「ISの戦士は自爆ベルトを爆発させる前にブリュッセル国際空港で発砲し、ある殉教者たる実行者は地下鉄マルベック駅で自爆ベルトを爆発させた」