立教大学コミュニティ福祉学部(埼玉県新座市)は11日、震災5年誌『復興支援ってなんだろう? 人とコミュニティによりそった5年間』を出版した。
同書は、東日本大震災後の5年間の復興支援活動の軌跡をまとめたもので、各拠点における支援活動の紹介、活動に参加した学生らによる座談会などが、写真も含め240ページにわたり紹介されている。特別な専門的技術を持っているわけではない学生たちが、同じところ、同じ人たちを、回数を重ねて訪ねることで、自然に信頼関係が築かれ、その結果として「交流」を重ねてきた姿を知ることができる。
同学部は、東日本大震災の1カ月後となる4月13日に、「東日本大震災復興支援プロジェクト」を立ち上げ、この5年間で、計230回、2800人を超える学生と教職員が現地支援活動を実施してきた。主な活動先は、岩手県陸前高田市、宮城県気仙沼市大島、南三陸町、石巻市、福島県いわき市、そして被災地からの避難者を受け入れている東京都新宿区、東久留米市などで、それぞれの時期と地域特性に合わせた活動を展開してきた。
プロジェクトには、同学部以外からの学生も多数参加し、復興支援活動に取り組む学生団体・学生支援局Three-S(スリーエス:Support Station by Students)とも連携を行い支援を続けてきた。また、プロジェクトにはこれまで、赤い羽根共同募金「災害ボランティア・NPO活動サポート募金(ボラサポ)」や、電通育英会など多くの外部団体が協力している。
同書の著者である同学部東日本大震災復興支援推進室は、現地7拠点で展開している支援活動の企画運営のほか、参加学生の募集やガイダンス、現地引率、派遣先との連絡調整、助成金の申請、活動の成果の継承・発信、大学教育や社会への還元などを行っている。
『復興支援ってなんだろう?人とコミュニティによりそった5年間』立教大学コミュニティ福祉学部東日本大震災復興支援推進室著、本の泉社、2016年3月11日、本体価格1500円(税抜)