茨城県つくば市の市立さくら学園桜中学校で5日午前、理科の実験中に事故があり、3年の男子生徒2人と女性教師(57)の3人が顔や手にやけどを負い、病院へ搬送された。毎日新聞などが伝えた。
同紙によると、事故は、桜中学校の科学部が学校の駐車場で3年生の送別会を開いていた際に起こったという。当時は、酸化銅とアルミニウムを混ぜた粉末を空き缶に入れ、火を付けて銅を抽出する実験をしていたが、想定以上に火が大きくなったとみられている。
やけどを負った女性教師は科学部の顧問で、テレビ朝日によると女性教師1人と生徒11人の合わせて12人がいた。3人は中度のやけどを負ったというが、命に別条はないという。桜中学校の松本義明校長は共同通信に対し、「あってはならない事故。全職員で安全教育に力を入れて二度と起こさないようにしたい」と話している。
一方、科学部の生徒らが試みていたのは、アルミニウムで金属酸化物を還元する「テルミット反応」とみられる。アルミニウムと金属酸化物の粉末を混ぜ合わせたものに着火すると、アルミニウムは金属酸化物を還元しながら高温を発する。この還元性と高熱により、混ぜ合わせた金属酸化物が還元された上で溶けて下部に沈降、純粋な金属を抽出できるという。