育てられ、育てていく―成長していくことの大切さ伝えたい
セカンドレベル・ミニストリー 真弓ポールさん
あるカンファレンスで、とても面白い活動をジョージア州でされている女性と出会った。真弓ポールさんだ。
まだまだ手のかかる4人の子どもたち(9、7、4、2歳)を育てながら、その力強さ、前向きさ、何より喜び溢れる笑顔が素晴らしい。自分の子育て時期を振り返ると、恥ずかしくなってしまう。
大阪府枚方市の出身。長女として、ごく普通の家庭で育つ。三つ下の妹、六つ下の弟を持つ。2003年、人生の最高のパートナー、クリス・ポール氏と結婚した。
「私はもともと子ども嫌いです。それなのに神様は4人も授けてくださり、『主の賜物』(詩篇127:3)の意味を私自身に示してくださっています。主の栄光のために育てていくため、日々チャレンジと喜びの中で、子どもたちにも信仰を継承していく『キリストの弟子づくり』の特権に預からせていただいています。子育ては自分の力でできないからこそ、主から愛と忍耐、知恵を受け、主の御守りと導きの中で育てられています。まだまだ子育て真っ最中ですので、神様が第一、そして第二に主人との関係と子どもたちとの関係があって、優先順位の第三にミニストリーが生活の中にあります」
真弓さんは、幼い頃から好奇心旺盛、チャレンジ精神旺盛。小学中学年ごろまでは、人目を気にせず自分の個性そのままで生きていたという。ところが、高学年くらいになり近所の子からいじめを受けてしまう。それからは人目を気にするようになり、人と接することに恐れを感じるようになった。また、人と「違う」選択をすることに戸惑いも感じた。
そんな中、まだ見ぬ世界へ思いをはせ、アメリカでの短期ホームステイプログラムに参加。クリスチャンたちからの愛と喜びに触れ、帰国後、大阪の吹田聖書福音教会へ導かれる。
神を信じる彼らが体験していた愛と喜びと平安を、自分も得たいと思ったという。当時、留学を準備する中、将来への不安でいっぱいだった真弓さん。個性も特技も知力もない自分。将来の道を早く開きたいという焦りはあるが、金銭的困難のために先へ進めないという葛藤の中で、三つのアルバイトを掛け持ちしながら、ひたすら走り続けていた。
「自分」を見いだせないという虚無感と、将来への焦りで押しつぶされそうになる中、クリスチャンの友人が、創造主である神、罪の問題、イエス・キリストの十字架での赦(ゆる)しを受け入れる必要性、神と共に歩む希望に満ちた人生について教えてくれた。
「まったく聖書の知識が無かった私ですが、こんなに豊かな輝きを持つクリスチャンたちが信じている神は本物だ、私を造り導いてくださった方がいるはずだ、自分は何かのために存在しているはずだ、そして、この神と共に私の一生を歩み、それらを発見したいと思い、素直に十字架での赦しを自分のこととして受け入れ、感謝してお祈りしました」
真弓さんは現在、日本人クリスチャンの霊的成長を助け、キリストの弟子となっていくプロセスを励ますセカンドレベル・ミニストリーという働きに携わり、2006年から総主事を務めている。
「私たちのビジョンは、マタイ28章19、20節と第二テモテ2章2節に基づいています。育てられたキリストの弟子が、新たな弟子をつくっていくこと(弟子づくりの増殖)です。常に伝えていることは、救われた者としてキリストにあって成長し続けていくことの大切さ、そして、自分が恵みを受けるだけの状態にとどまるのではなく、相手の霊的成長のために関わっていくことの大切さです。まだまだ草の根の働きですが、主によって始められたこの働きは、主によって常に導かれ、主によって霊的な実りがもたらされています」
「具体的な働きとしては、この目的に基づいて、さまざまな聖書の学びやリソースの提供、また個人的な関わりである『メンタリング』を通して信仰がしっかりと根付いていく機会を提供しています。どのようにメンター(メンタリングを提供する方)、あるいはメンティー(メンタリングを受ける方)を探してよいか分からない場合、セカンドレベル・ミニストリーがキューピッド役となり、各々の状況や霊的課題などに基づいて、お二方を引き合わせます」
「メンタリングが始まるまでの過程も真剣に捉えています。まず祈りが根底にあり、主による導きを第一に求めています。その後、メンティーが抱えるニーズやメンタリングの目的を考慮し、どのようなメンターがそれらのニーズに応えていけるかを探り、ふさわしい方を探します。もちろん同性であり、年齢や人生経験、メンターの賜物や、互いの性格なども考慮されます。主は、驚くばかりにぴったりの人を互いに備えてくださっています! このメンターだから相談できた、このメンティーだから自分の賜物が生かされた形で成長を励ますことができた、という状況が多々あります。人の成長はもちろん、出会いからも全てにおいて、主の御業を見ます」
「救われてから、人が主にあって変えられ、本来のあるべき姿を見いだし、賜物を発見し、召しを受け取って生き生きとされている姿は本当に大きな喜びです。実を結ばせてくださる神の働きを見るからです。また救いの喜びをもって、共に同じ主を賛美することができるからです。神様は私たちの最高の賛美と礼拝を受けるにふさわしいお方です!」
これからのビジョンについても聞いた。
「私たちのビジョンは、この時代に新しく出てきたものではありません。聖書を見れば、これこそが教会の目的であり、個々のクリスチャンが目指すべきものであることが分かります。セカンドレベル・ミニストリーは教会の存在にとって変わるものではなく、キリストの体である教会を支える働きです。救われた一人一人が、キリストにある信仰に根を下ろしていくことをどれほど神が望まれているのか、そして、神を愛し人を愛するならば他者の霊的成長のために関わっていくべきことを真剣に捉えていけるよう、励まし続けていきたいと思います」
「救いを受けた者は、主ご自身が願われているそれにふさわしい生き方があるのです。いつかは、弟子づくりを奨励するこのセカンドレベル・ミニストリーの働きが必要なくなるほど、全ての教会、そして全てのクリスチャンたちが、主から救われた意味と使命を受け取り、主が本来意図された大宣教命令を実践していくに当たり、喜びをもって仕えていくときが来ることを願います。それまで、こんな小さな私たちですが、また、だからこそ、主の栄光が現されることを期待し、全てをささげて主にお仕えしていきたいと思います」
「ところで、わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために」(Ⅱコリント4:7)
なんとも素晴らしく、主の力がみなぎる母・妻・ミニスターの真弓さんとその活動を、これからも応援したい。
みなさんも、心一つとなり、キリストの弟子づくりのために共に祈りませんか?
次回スカイプでの祈祷会は、3月10日(木)7:30pm(米国東部)・
3月11日(金)8:30am(日本時間)です。参加される方は、スカイプID「secondlevel prayer」をご登録くださり、
[email protected] までご参加の旨をお知らせください。
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マリ・パクストン(Mari Paxton)
日本でスタジオミュージシャン、コマーシャルシンガーとして活躍後、オーストラリア、アメリカへ渡る。結婚後、ラマーズクラスで知り合った牧師夫妻を通して教会に導かれ、クリスチャンに。家庭集会を日本人主婦向けに始める。現在、南カリフォルニアのサドルバック教会(リック・ウォレン牧師)でゴスペルクワイアのソリストとして活躍し、3人の子どもの成長とともに、夫婦向けの家庭集会をホストしている。2015年9月には、アンディ・デロス・サントスのプロデュースでアルバム「主を信じよう」(iTunesにて配信中)を発表した。